日本福音ルーテル東京教会宣教100年 石製飼葉桶を「洗礼盤」に 2012年12月8日
宣教100年を迎えた日本福音ルーテル東京教会(東京都新宿区)は、この節目を記念し、かつて飼葉桶として使用されていたものを新しい「洗礼盤」として導入した。宗教改革主日である10月28日、100周年の記念礼拝を行った。同教会の歴代牧師、宣教師8人が集い、洗礼盤を聖別。同日洗礼式も行った。
同教会の関野和寛牧師は、100周年を迎えるにあたり次世代の宣教の第一歩を考えていたと語る。
「教会が前進し、信仰が強められるために何が必要かと考えた。キリストが最後に大宣教命令を出したように、全ての人に洗礼をさずけなさい、という原点に立ち返るしかないと思った。そして新しく洗礼盤を入れて、皆で洗礼に対する意識を強め、洗礼者が起こされるようなムーブメントをつくりたかった」。
聖壇のステンドグラス下に置かれた洗礼盤は、石製の飼葉桶二つを積んでいる。上段には水が常時入り、下段には、同教会員たちの祈りを書いて焼き上げた粘土二つが入っている。
新たな洗礼盤を導入する計画は1年前の総会から上がっていた。「どんなものにするか、芸術家の西村陽平先生に依頼したところ、(洗礼盤そのものが)経てきた長い時間のなかでメッセージを語れるものがいいとおっしゃっていて、西村先生のインスピレーションで石製の飼葉桶に決めた」。
関野牧師によれば、同教会にはじめて来た人は、ステンドグラスやパイプオルガンに意識がいってしまうことが多かったという。「聖壇のあの石は何かと問われたとき、それが洗礼盤であること、そして洗礼とはこういうものであると語れるようにしたかった」。
今後は『洗礼と恵み』というトラクトをつくる予定だ。「洗礼とは何か、洗礼を受けることはどういうことなのか分かち合えるものをつくっていきたい。一人でも多くの人にキリストと共に生まれるメッセージを受け取ってほしい」と本紙に語った。