絶版書籍をオンライン版で 2013年3月9日
埋もれたコンテンツを掘り起こす取り組みも進んでいる。昨年8月に立ち上げられた「キリスト教ネットメディア研究会」が目指すのは、日本語で読めるキリスト教書をデジタル化し、共有資産とすること。絶版となったウィリンストン・ウォーカー著『古代教会(キリスト教史)』(竹内寛監修/菊地栄三、中澤宣夫訳)をPDF化し、DLマーケット(http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/213695)を通じて無料で提供したほか、2010年に営業を終えた「すぐ書房」の書籍をオンライン版として再版する準備も進めている。
運営を担うのは、これまでもニコニコ動画を用いた「ニコ生神学部」など、ソーシャルメディアによる発信を模索してきた日本キリスト改革長老教会の波勢邦生さん。「自宅の本棚に重複している良書、しばらく開いていないものの若者が読むべき信仰書や神学書があれば、ぜひ連絡してほしい。良いものを次世代に残しましょう」と呼びかけている。
同会は今後、各神学校の紀要、教授陣の資料のデジタル化と横断検索システムの構築、英語圏の学者がオンラインで日本語文献に言及できるサービスの提供、オンライン宣教に関する出版と翻訳、ソーシャルメディア・ネットワーク・システム(SNS)を用いた新しい宣教モデルの提示なども視野に入れ、活動を展開する予定。
問合せは同会(〒661-0031 兵庫県尼崎市武庫之荘本町3の26の5 武庫之荘教会内)、または同サイト(http://christnm.info/wp/)まで。
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「すぐ書房」代表・有賀寿さんの話
すぐ書房は1974年に、学生たちに役立つ本を提供したい、学生伝道の思想的な手伝いをしたい、との思いで始まったキリスト教出版社でした。今回、キリスト教ネットメディア研究会の働きにより、2010年以来、眠っていた「すぐ書房」がオンラインで広く共有され、再び活用されることは著者・訳者の皆様にとって喜ばしいことかと思います。現代に沿った形で、再び歩み出す「すぐ書房」の働きにご期待ください。