〈岩波写真文庫〉とその時代展 本づくりの熱気伝える 教文館ウェンライトホールで展示 2013年7月6日
文化の種をまくと言う志を持って始められた岩波書店が今年創業100年を迎えたことを記念して、「〈岩波写真文庫〉とその時代」展(岩波書店・教文館主催)が教文館ウェンライトホール(東京都中央区銀座)で7月8日まで開かれている。
戦後獲得した自由の中で、1950年に同書店では次々に新しいシリーズを刊行。「本づくりの熱気」が渦巻いていた同年に同文庫はコンパクトな版型で64頁に200枚ほどの写真を収めて刊行が始まり、1958年の終了までに286冊が出版された。
会場には当時の原画や写真、「文化をになう人々」の短縮編集版の上映コーナーもあり、時代の空気を伝える。6月24日には羽仁進氏(映画監督)が、同文庫との関わりを講演した。
同書店では記念展開催にあたって、熱気に満ちた時代の雰囲気をあらためて見直すことは、出版の原点をとらえ直すうえで、そしてこれからの出版を考えるうえで、意義ある試みと考えるとしている。
教文館はこれまで書店として岩波書店との関係が古くからあった。主催関係者は「戦後復興していく過程で、岩波書店は様ざまな本を出し、時代を先駆け、日本の出版文化に貢献した。時代を築いていく上での意義ある展覧会になれたら」と話す。