東洋文庫ミュージアム 「マリー・アントワネット」企画展閉幕 〝布教の連続性と共通性重視〟 2013年8月10日

 東洋学の専門図書館、財団法人東洋文庫(東京都文京区、槇原稔理事長)による一般向けミュージアム・東洋文庫ミュージアム(同所)では、7月28日まで開催していた企画展示「マリーアントワネットと東洋の貴婦人~キリスト教文化をつうじた東西の出会い~」を閉幕した。

 長崎県、熊本県天草市からの協力も得た同展は好評で、3月20日からの会期中は1日平均して100人、休日は200人の来場者があったという。

 マリー・アントワネット、細川ガラシャ、そして中国明朝のキリシタン貴婦人徐カンディダを「ヒロイン」とし、伝マリー・アントワネット旧蔵『イエズス会士書簡集』、世界に唯一現存する天草本キリシタン版『ドチリーナ・キリシタン』、ガラシャ自筆の和歌短冊『たつね行』、『徐カンディダ伝』などの貴重な資料が一堂に会した。図録=写真=はミュージアムショップで販売中(売切れ次第終了)。

 ガラシャはアントワネットと約200年の年代差がありながら、共に37歳で生涯を閉じたという共通点があり、またヨーロッパの王侯貴族の間では当時イエズス会による日本での殉教を題材とした音楽劇の人気が高く、中でもガラシャをテーマにした『気丈な貴婦人』はハプスブルク家のお気に入りであったということから、キリスト教を通じて2人には精神的な繋がりがあったという視点を展開、女性を中心に多くの来場者の関心を高めた。

 主幹研究員の牧野元紀さんは、「日本で一般的な日本のキリシタンとヨーロッパの二項関係ではなく、東洋文庫らしく日本を含めた東アジアでの布教の連続性と共通性を重視した。展示をきっかけに長崎や天草へ行かれた方もあったということで、潜在的に関心をお持ちの方は多いのではないかと感じた」と語った。

 8月7日からは「マルコ・ポーロとシルクロード 世界遺産の旅―西洋生まれの東洋学」を開催、東洋文庫40周年を迎える来年は仏教やイスラム教を取り上げた展示も予定している。

 開館は午前10時~午後8時(入館は7時半まで)。火曜休。一般880円、大学生680円、中高生580円、小学生280円。問合せは同館(℡03・3942・0280)まで。

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