UNHCR「ナンセン難民賞」 アンジェリーク・ナマイカ修道女に 2013年9月28日

 国際難民高等弁務官(UNHCR)は9月17日、今年の「ナンセン難民賞」をコンゴ出身のアンジェリーク・ナマイカ修道女に贈ると発表した。ナマイカ修道女の受賞は、LRA(神の抵抗軍)やコンゴ民主共和国の北東部に拠点をおく集団による性的暴行や虐待を受けた女性被害者に対する長年の支援を称えるもの。

 ナマイカ修道女は自らが主催する「再統合と開発センター(Centre for Reintegration and Development)」の運営を通じ、主にLRAの活動によって避難を余儀なくされたり、暴行された2千人以上の女性や少女の人生にはかり知れない影響を与えてきた。ナマイカ修道女が支援する女性たちは、誘拐、強制労働、暴行、殺人、レイプなどの著しい人権侵害の体験者たちである。

 被害を受けた女性一人ひとりとていねいに向き合ってきたナマイカ修道女。女性たちが心的ダメージやトラウマを克服できるよう支援を続けてきた。暴行そのものの体験も深刻だが、被害者の女性の多くは暴行の被害者であることを理由に家族やコミュニティから排除され、二重の苦しみを背負っている。

 そのような状況に置かれた女性たちの心を癒し、回復に導き、人生を再び取り戻すには特別なケアが必要とされる。ナマイカ修道女は、女性が商売(小売り)の仕方を学んだり、小規模なビジネスを始めたり、学校で再度学ぶ機会を持つといった活動を通し支援を行っている。支援を受けた女性たちの多くは、人生において多大な影響を与えてくれたナマイカ修道女を深い親愛の情を込めて「マザー」と呼ぶ。

 電気や水が不足し、道路は舗装されていないという環境の中でも、ナマイカ修道女は成果を上げてきた。ほとんど何も所持せず、まさにその身一つで苦しみの中にいる女性たちに希望を与え続けてきた。

 受賞の知らせを受けたナマイカ修道女は、「この賞をわたしが頂くことは、ドゥングで避難生活を送っている女性たちが人生を再スタートさせるために、より多くの支援を得られることを意味します。わたしは、被害を受けた女性たちに希望を与え、もう一度人生をスタートさせるために出来得ることを精一杯続けるつもりです」とコメントした。

 ナマイカ修道女は、9月30日ジュネーブでナンセン難民賞とナンセンメダルを受け取る。また、授賞式後の10月2日にバチカンでフランシスコ教皇と面会する予定。

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