キリスト教功労者 大島良雄、齋藤正彦、前田ケイの3氏 日本キリスト教文化協会 2013年11月9日
2013年の「キリスト教功労者」に大島良雄(関東学院大名誉教授)、齋藤正彦(女子学院理事)、前田ケイ(ルーテル学院大名誉教授)の3氏を公益財団法人日本キリスト教文化協会(深町正信理事長)が選定した。顕彰式は10月21日、東京・銀座の教文館ウェンライト・ホールで行われた。
今年で44回目を迎えた同賞は、日本の伝道、キリスト教教育、社会福祉、文化などの分野で功績のあった人を顕彰するもの。
これまでにも日野原重明氏、武田清子氏、渡辺信夫氏ら171人が顕彰されている。
顕彰理由は、大島氏が、日本におけるバプテスト教会の宣教師たちの研究、齋藤氏が伝道者として40年以上にわたるキリスト教学校教育、前田氏がソーシャルグループワークの研究など。
大島良雄(おおしま・よしお)=1919年東京都出身。41年関西学院専門部英文科、43年同大法学科、54年バークレー・バプテスト神学校卒業。
1960年から関東学院大学専任講師、大学宗教主事の任に就き、助教授、教授へと昇進し、83年から定年まで学院宗教主任を兼任した。この勤務の間に、W・バークレーの『イエスの生涯1』にはまる6冊を翻訳した。
齋藤正彦(さいとう・まさひこ)=1925年山口県出身。52年、日本基督教神学専門学校(現東神大)卒業後、日基教団福岡中部教会に伝道師として9年在籍。その後、南メソジスト大パーキンス神学院で修士号取得。
61年から2000年まで、福岡女学院、活水女学院、女子学院と40年にわたりキリスト教学校教育に携わった。女子学院院長退任後は、芝教会や福岡中部教会の主任担任教師を務めた。キリスト教学校教育同盟理事、常任理事、CoC関係学校協議会委員などはそれぞれ20年にわたって務めた。05~09年までは東神大理事長。
前田ケイ(まえだ・けい)=1931年北海道出身。北星学園短大から青学大に編入学し、ハワイ大を卒業後、社会福祉学の草分けであるコロンビア大ソーシャルワーク大学院で修士号取得。77年、日本ルーテル神学大(現ルーテル学院大)の開設2年目のキリスト教社会福祉コース(社会福祉学科)で社会福祉教育に取り組む。同大学で卒業生の8割以上が福祉の現場に就職する伝統を築き上げた。
今から25年前に日本に紹介されたSST(Social Skills Training=社会生活技能訓練)と呼ばれる新しいリハビリテーションの方法の理論と技術を研究、実践し、福祉や精神科の医療分野だけでなく、刑務所や少年院などの司法分野にも導入し、普及させてきた。2003年には日本更生保護協会から「瀬戸山賞」が贈られた。更生保護事業に対する学術的貢献が評価された。