グテーレス国連難民高等弁務官が会見 「シリア・レバノンは危機」 2014年1月18日

 12月4日、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官が日本記者クラブで会見した。グテーレス高等弁務官は、昨年6月に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD Ⅴ)参加に次ぐ来日だ。

 今世紀最悪の人道危機といわれるシリア危機は、内戦発生から2年以上経つが、今もなお先の見えない状況である。ルワンダの虐殺につづき、これらの危機は「第二次世界大戦以来のものになる」とグテーレス高等弁務官。

 レバノン、ヨルダン、トルコ、エジプト、イラクといった周辺国に逃れた難民は220万人を超えた。2013年末までに国内避難民は680万人に上るとされている。UNHCRが11月に発表した報告書では、シリア難民の子どもは110万人以上にのぼり、児童労働が深刻な問題となっている。グテーレス高等弁務官は、「ベイルートでは少女が結婚や売春を家族に強制させられている」と述べ、子どもに対する人権侵害の対策が急務だと強調。

 また、シリアだけではなく、難民を受け入れている隣国にもサポートが必要だと訴えた。特にレバノンはシリア危機発生以来、シリア難民を受け入れてきた結果、人口が10%増加。1200以上の自治体が難民を受け入れているがキャンプがないため、住宅のニーズが急増している。 

 グテーレス高等弁務官は、アメリカに次ぐ規模の日本の経済支援に謝意を示し、同時に、さらに強い外交力を示してほしいと要望。「日本はどこにも属さない中立的な国。もっと強いコミットメントをもってほしいし、日本の世論にも人間の安全保障について考えてもらいたい」と話し、「人道的な問題は政治的な解決しかない」と付け加えた。

 

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