パンの缶詰とローソクで支援 国際飢餓対策機構も呼びかけ 2015年4月11日
国連機関の発表によると、これまでにバヌアツを構成する80以上の島のうち22島がサイクロンの被害を受けており、死者は17人、被害者総数は全人口約25万人の半分以上の16万6千人。全人口の半数以上にあたる16万6千人が避難所などに身を寄せており、壊滅的被害でインフラが機能しない中、深刻なモノ不足が続いている。
島々の住民の大半は自給自足での生活をしているが、国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ココナツとバナナ農園の被害は壊滅的で、長期的な悪影響が予想されるという。首都ポートビラがあるエファテ島では、90%の建物が損壊または全壊で、電気、交通網が遮断され、食料や飲料水の不足が続いている=写真・3家族が養鶏を営んでいたが壊滅。30羽の鶏がすべていなくなった。
国際飢餓対策機構(岩橋竜介理事長)は緊急支援として、パンの缶詰1500缶(約3千食分)と停電用ローソク約4500個を現地に届ける手続きを進めている。災害用のパンの缶詰「救缶鳥」は、同機構の協力企業のパン・アキモト(栃木県那須塩原市)が災害備蓄用として同社からパンの缶詰を購入した会社などに呼びかけて集まったもの。ローソクは、大手のカメヤマローソク(本社・大阪市)の三重工場から無償で提供されるもので、長時間燃焼(約35時間)タイプ。
同機構は、これらの物資を現地まで空輸し、救援活動中の海外パートナーである国際飢餓対策機構ニュージーランド(FHINZ)や地元の支援グループと協力しながら、支援の手がゆき届かない貧困世帯などを優先に配布を行う。
同機構を介しての募金は、郵便振替かウエブサイトから直接クレジットカード決済が利用可能。記入欄に「バヌアツサイクロン」と明記の上、郵便振替00170―9―68590「日本国際飢餓対策機構」へ。問合せは同機構・広報(℡072・920・2225、080・7015・5250)まで。