〝平和のしるし〟として歩む 日本聖公会主教会が戦後70年メッセージ 2015年4月18日
日本聖公会主教会は、「〝戦後70年〟に当たって」と題するメッセージを4月5日付で管区事務所ホームページに公表した。
〈はじめに〉では、今年がアジア・太平洋戦争が終結してから70年に当たることについて、「わたしたちはこの戦争で犠牲になった人々、また、今もその痛みや苦しみ、悲しみの中にある人々のために祈ると共に、世界の平和に向けての日本聖公会のあるべき姿を改めて確認したい」との思いを表明。
続く〈日本聖公会の戦争責任〉において、1995年に「日本聖公会の宣教―歴史への責任と21世紀への展望」の主題のもと、「日本聖公会宣教協議会」が開かれたこと、また翌年開催の第49(定期)総会で、「日本聖公会の戦争責任に関する宣言を決議する件」が採択されたことを想起。「南北朝鮮の平和統一を含む東アジア全体の平和と和解、そして、沖縄における平和の確立は今後とも日本聖公会の宣教活動の大事な課題であり続ける」として、その実現のため努力を続けていくことを表明した。
また、〈東日本大震災と2012年宣教協議会〉の項では、12 年9月に日本聖公会宣教協議会が開催され、「日本聖公会〈宣教・牧会の十年〉提言」が出されたことに言及した。
その上で、〈これからの日本聖公会のありかた〉の項目では、日本の再軍事化への動きが加速されていることに伴い、沖縄米軍基地の固定化、韓国、中国との関係の悪化など、平和や安定が脅かされる状況が生まれつつあることを危惧。
福島第一原発事故による放射能汚染、経済的格差の拡大、ヘイトクライム・ヘイトスピーチによる人権侵害などを挙げ、「そのような状況であるからこそ、戦後70年を迎えたわたしたちは、これまでの歴史から、また主イエスの福音から学び、いのちを輝かせる働き、隔ての壁を取り除き、分かたれたものを一つにする平和の器として歩んで行く思いを新たにするのです」と訴えた。
そして最後に〈平和のしるし・和解の器として〉において、「わたしたちは日本社会の中にあって小さな群れです。しかし主キリストにあって一つであること、そして、いのちを尊び、祝福しあう共同体として、共に礼拝し、仕え、歩むことで、それぞれの地域での〝平和のしるし〟となることができるのです」と強調した。