バラエティ番組に神父と牧師ら出演 仏教との意外な共通点? 2015年5月23日
「お坊さんバラエティ」として人気を博するテレビ朝日系列の番組「ぶっちゃけ寺」(5月11日放送)に、キリスト教の神父と牧師、シスターが出演した。宗派を超えた複数の僧侶らが出演し、「爆笑問題」の2人(太田光さん、田中裕二さん)による司会のもと、ゲストを交えて仏教の教えやお寺、お墓にまつわる知識を掘り下げるという教養娯楽番組。これまで神道から神主が出演した回はあったが、キリスト教をテーマとして取り上げたのは初めて。今回の放送では「お坊さんが聞く深~い質問で意気投合しちゃいましたスペシャル」とのタイトルで、長崎県の大浦天主堂でのロケも敢行。仏教とキリスト教との共通点に迫った。
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キリスト教からは、岡立子さん(聖母の騎士修道女会)、オリビエ・シェガレさん(パリ外国宣教会司祭)、片柳弘史さん(イエズス会司祭)、エイブラハム・キストさん(アメリカ改革派教会牧師)、三輪地塩さん(日本キリスト教会浦和教会牧師)、山下智子さん(新島学園短期大学宗教主任)の6人が出演。
番組は、レギュラーメンバーである「お坊さん」からの素朴な質問に答える形で進められた。キリスト教における「修行」や結婚の意味、神との関係、慣習などについて解説された後、キリスト者と結婚した露の団姫さん(天台宗)と片柳さんが取材した長崎のVTR内では、マリア像と仏像、ステンドグラスと絵心経(般若心経を絵で表現したもの)の類似点、弾圧された隠れキリシタンが信仰の支えとしたとされる「マリア観音」についても紹介した。
今年4月に深夜帯からゴールデンタイムに移行した同番組は、「ためになる」と評判で、放送後も多くの反響が寄せられている。今回は仏教との「共通点」に焦点が絞られたため、カトリックに関する話題が大半を占めたが、プロテスタント教会の関係者からは続編を望む声も上がった。
プロデューサーの梶山貴弘さん(総合編成局制作1部)は、「仏教のお坊さんとキリスト教の方々がスタジオで向かい合って座る姿はたいへん珍しい光景でしたし、皆さんのお話もたいへん興味深く、聞き入ってしまいました。キリスト教と仏教に多くの共通点もあるということも意外で、スタッフ一同とても勉強になった回だったと思います」と収録を振り返った。
「お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺」は毎週月曜日夜7時からテレビ朝日系列にて放送中(一部地域を除く)。
(写真キャプ)
番組に出演した(左から)岡さん、片柳さん、エイブラハムさん、
三輪さん、山下さんとエイブラハムさんの妻・キスト岡崎さゆ里さん