青学神学科同窓会基督教学会閉会へ 2年後の論集60号の発行をもって 2015年6月13日

 青山学院大学神学科同窓会基督教学会(関田寛雄会長=同大学名誉教授)は5月6日に同大学で総会を開き、2年後の『基督教論集』60号の発行をもって閉会することを決定した。同窓会の活動は継続する。

 同学会は、1949年の文学部キリスト教学科(後に神学科に改称)の成立に伴い52年に活動を開始。翌53年から『基督教論集』を発行してきた。77年に神学科が廃科された後も、木田献一氏を中心に学会活動の継続が呼び掛けられ、同氏の提案により79年に学会会則を変更。同学科の卒業生でなくとも研究成果発表の資格を持つ会員の制度を設けた。しかし、そうした会員も同学会以外での研究発表の場が増え、卒業生の高齢化により研究活動力が衰退してきたことから、2年後の閉会が決定された。

 総会の前には、「青山学院大学神学科同窓会基督教学会の存在と意義をめぐって――キリスト教学科・神学科の65年を振り返って」をテーマにシンポジウムが行われた。荒井献(東京大学・恵泉女学園大学名誉教授=写真)、関田、川島貞雄(日基教団隠退教師)、牧野信次(同教団上星川教会牧師)、安倍愛子(同教団キリスト教教育主事)の各氏が発題した。

 荒井氏は、58年から69年まで助手・専任講師・助教授として神学科に勤務し、その後も72年まで非常勤講師を務めた。同氏は自著『「強さ」の時代に抗して』(岩波書店)を引用しつつ、理事会決定により同学科が廃科されるに至った「青山学院大学神学科問題」の核心が、「大木金次郎院長兼理事長に代表される大学管理者がその管理イデオロギー(「建学の精神」としての「キリスト教」)に神学科が従わないと断定し、これを強引に廃科したことの当否にある」と述べ、問題の経緯を解説。自身を含めた神学科教師の責任にも言及した。

 参加者からは、廃科の理由について、経済的な問題や、大木氏の個人的な信仰の問題を指摘する声も相次いだ。牧野氏は、43年の神学部閉鎖と77年の神学科廃科を挙げ、「学校に本質的に弱点がある」と指摘。参加者からも、「その弱点を克服しない限り、また同じ問題が起こるし、神学科を再興しても何にもならない」との意見が出された。

 

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