〝関心持てばすべきことは分かる〟 片柳弘史氏がマザー・テレサを語る 2015年7月25日
マザー・テレサのもとで働き、このほど『世界で一番たいせつなあなたへ~マザー・テレサからの贈り物』を上梓した片柳弘史氏(イエズス会司祭)の講演会が7月4日、聖イグナチオ教会(東京都千代田区)で行われた。同教会の信徒有志によるメルキゼデクの会(岩田鐵夫代表)が主催し、会場には数百人の信徒らがつめかけ満席となった。
片柳氏は、学生時代に単身でマザー・テレサを訪ね、その生きざまに感銘を受けて神父になることを決意した経緯を紹介。自身の撮影した写真や同書にも収録したマザー・テレサの言葉を紹介しながら、彼女の実践から学ぶべき「奉仕の心」について説いた。
貧しい人々の気持ちを理解できるようにと、便利な暮らしを捨て、衣服も3着のサリーしか持たず活動していたマザー・テレサ。誰に対しても慈愛に満ちた眼差しを向けていた彼女は、「出会う一人ひとりの命の中に、イエス・キリストの輝きを見て取っていたのではないか」と片柳氏。
「何かができるから愛される価値があるという考えから解放し、弱く無力なままで神の子として愛されているという福音を伝えるために、イエス・キリストが来られた」
また、使命感から奉仕に携わったものの「何をすべきか分からない」という声にも接するが、「まず目の前の人に関心を持つことで愛が生まれ、わたしたちを突き動かしてくれる。関心を持てば、自ずとすべきことが分かるし、長続きする」と訴えた。
会の合間には、同書の挿絵を手がけたイラストレーターのRIEさんも登壇。うつ病から立ち直り、ジェット機に絵を描きたいという夢が叶えられるまでの体験も語った。
教文館では、9月5日のマザー・テレサ記念日から21日まで、「マザー・テレサフェア」としてRIEさんの個展を開催。初日の5日には片柳氏によるお話会などが行われる。午前10時半~12時半、午後2時~4時。各回50人限定。予約、問合せは教文館(℡03・3561・8448)まで。