点字月刊誌『信仰』が100周年 戦時中も途切れず「日本の盲界の光に」 2015年9月12日

 日本盲人キリスト教伝道協議会(盲伝、田中文宏議長)が発行している点字月刊誌『信仰』が11月で創刊100周年を迎える。これを記念して8月5日、創刊100周年記念感謝会が戸山サンライズ(東京都新宿区)で開催された。盲伝の会員や関係者を中心に、約100人が全国から集まった=写真右。

 『信仰』は1915年に秋元梅吉氏(東京光の家創設者)ら視覚障がいを持つ青年たちによって『信光』の名で創刊された=写真下。当初は年4回の発行だった。戦後、51年に創設された盲伝によって引き継がれ、80年代に音訳版、90年代に点字データでの配信を開始。2004年2月の1000号より墨字版(活字版)も制作されるようになった。現在ではすべて合わせて毎月540部を発行している。歴代の編集主筆は視覚障がい者が務め、2015年8月号で通巻1138号を迎えた。

 感謝会では、盲伝議長の田中氏が、「信仰の光を高く掲げ、志を持って、これからも日本の盲人伝道に尽くしていきたい」とあいさつ。

 1988年から2005年まで『信仰』の編集主筆を務めた阿佐博氏は、同誌が創刊以来、太平洋戦争時も途切れることなく発行され続けてきたことの意義を強調。同誌を創刊した秋元梅吉、資金援助を行った好本督(よしもとただす)両氏の功績を振り返り、「必要なものは続いていく。この雑誌をさらに長く続けて、日本の盲界の一つの光にしていきたい」と語った。

 現編集主筆の榎本千代乃氏は、表紙に聖句を掲げたり、葬儀・震災・施設での生活・戦争体験・沖縄の実情・憲法問題など月ごとにテーマを設けて原稿依頼を行っていることなどを紹介。「『信仰』は読者をつなぐパイプ役。神さまの言葉によってつながっている」と述べた。

 同誌10月~12月号は100周年特集の予定。問い合わせは盲伝(℡03・3203・4219)まで。

 

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