原典からの翻訳プロジェクト進む モンゴル聖書協会が世界連盟に加盟へ 2015年9月26日

 旧・モンゴル人民共和国が社会主義を放棄し、現在の「モンゴル国」に改称した1992年以降、現地では多くの教会が立てられてきた。同時にモンゴル語聖書の必要も高まり、さまざまなグループがモンゴル語への翻訳作業を開始。しかし、翻訳方針の違いなどにより各グループの協働が難しく、教派を超えた合同の働きによる聖書翻訳のチームができずにいた。

 モンゴルの教会は多くが20年ほどと歴史が浅く、牧師も30~40代の若いモンゴル人が中核を担っている。2003年に発足したモンゴルユニオン聖書協会は、「教派を超えてすべての教会に聖書を届ける」という使命を果たし、聖書翻訳の事業を進めてきた。総人口284万人ほどのモンゴル国内で、年間2万6千冊の聖書を製作し、1万6千冊を頒布している(14年度)。

 しかし、同協会の翻訳した「現代モンゴル語聖書」は英語など他言語からの翻訳で、聖書原典から翻訳されたものではなかった。そこで、14年から「モンゴル人による原典からのモンゴル語聖書翻訳」プロジェクトを開始し、28年までの完成を目指して翻訳が進められている。プロジェクトリーダーのバヤール・ガラム氏=写真中央=は、13年にモンゴル国籍として初めて聖書学博士の学位を取得した人物。

 20年以上にわたりモンゴル語の聖書翻訳に携わってきた聖書学者の嶌村貴氏(津久野キリスト恵み教会派遣宣教師)も、このプロジェクトに重要なブレーンとして関わっている。
 また、このプロジェクトにより「エキュメニカル」と「原典翻訳」という要件を満たしたことで、同協会は2016年「聖書協会世界大会」での承認を経て、聖書協会世界連盟(UBS)に正式加盟することが決定した。

 これまで、韓国、台湾、香港の聖書協会と、中国のキリスト教会との絆を結んできた日本聖書協会(渡部信総主事=写真左)は、6月に同協会を訪問し、東北アジア圏での同労者として友好を深めると共に、16年度より同事業を支援することを約束した。

 

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