安保法成立後にできること探る フェリス女学院大学教員有志の会 2015年11月28日
「安全保障関連法案に反対するフェリス女学院大学教員有志の会」は11月14日、同大学緑園キャンパス(横浜市泉区)で報告会を開催し、これまでの活動を振り返った。学生や卒業生など、約40人が出席した。
第一部では、文学部教授の梅﨑透氏による活動報告に続き、比較憲法を専門とする国際交流学部教授の常岡(乗本)せつ子氏が、「これから私たちができること・すべきこと」と題して講演した=写真。
同氏は憲法9条について、集団的のみならず個別的自衛権の行使を禁じていると解釈するのが、憲法の平和主義に最も合致すると主張。憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分から、「信頼」こそが抑止力であると強調した。また、これからできることとして、安倍内閣の退陣要求や、安保関連法制廃止法を可決することなどを挙げた。
第二部では、「安保関連法案に反対するママの会@神奈川」に携わる卒業生らがコメント。また、「安全保障関連法に反対する立教人の会」共同代表の西原廉太氏(立教大学文学部教授)も連帯のスピーチを行った。
「安全保障関連法案に反対するフェリス女学院大学教員有志の会」は今年7月に発足。呼び掛け文では、同学院がキリスト教信仰に基づく女子教育を行うことを建学の精神とし、「For Others」(他者のために)という教育理念を掲げていることに言及。この言葉は「より広い視野から他者の存在をも考えに入れて、他者のために行動するという規範を意味するもの」であるとし、「『集団的自衛権行使』などという名の武力行使・軍事介入=戦争を決して容認するものではありません」と強調している。
同会はこれまで、「安全保障関連法案に反対する学者の会」や「100大学有志の共同行動」などの活動に参加してきた。賛同者は、オンライン署名と自筆署名を合わせて、11月13日現在で555人。
今後は、会の名称から「案」を削除して、「安全保障関連法に反対するフェリス女学院大学教員有志の会」とし、活動を継続する予定。来年度に、有志によるリレー授業も計画しているという。