芦屋市で市民向け「イースター」 10教会が超教派でバリア低める試み 2016年4月9日

 兵庫県芦屋市内の超教派10教会で構成される芦屋キリスト教会協議会(共同代表・川邨裕明=芦屋カトリック教会主任司祭、佐藤耕一=日本聖公会芦屋聖マルコ教会信徒、島田恒=日基教団芦屋西教会信徒)は3月13日、「プレ・イースター・フェスティバル」と銘打ったイベントをJR芦屋駅前のホールで開催した。会場の収容人員220席を超える参加者が来場した。

 当日は芦屋少年少女合唱団によるコンサートと、関西学院院長のルース・M・グルーベル氏による講演「一度だけの人生に大切なもの」が行われた。グルーベル氏は在日36年の経験を踏まえながら、関西学院で「死生学」を担当する藤井美和氏の授業内容や参考図書を紹介しつつ、人間が死に直面して後悔する一般的な事項を五つにまとめて解説。信念や愛など、目には見えないが人生にとって大切なものに向き合うことの重要性を説いた。終了後のアンケートでは、「メッセージに感動した」「人生を見直したい」などの感想が寄せられた。

 今回のイベントは、信徒のための集会ではなく、キリスト教に関心を持たない市民に対する働きとして、クリスマスと並んで一般市民にもなじんできたイースターを前に計画された。

 広報にも工夫がなされ、「イースターはどなたでも教会へお越しください」をテーマに、フェイスブックでの告知やポスター掲示に加え、市内ほぼ全世帯に新聞折り込みチラシを配布。集会の案内だけでなく、イースターの意義を強調し、広く参加を呼びかけた。

 代表の1人である島田氏は、「このような催しが、必ずしも教会に来るきっかけとして実を結ぶという楽観はできない」としつつも、「この地区の比較的高いクリスチャン人口(推定2.5%)や、ミッションスクールの存在を考えると、キリスト教へのバリアを低めることによって相乗的に宣教に結びついていくことが期待される。さらに、教派を超えて情報交換を深め、協働し、信徒同志の交流が盛んになるという副産物も期待されている」と可能性を語る。

 同協議会では、今後も活動の拡大を目指す方針だという。

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