ミニストリー誌 東北で「神学講座」 死生学、教会教育、聖書学で特別講義 2016年7月23日

 雑誌「ミニストリー」(キリスト新聞社)が主催するセミナー「ざっくりわかる出張『ミニストリー』神学講座」が6月27日、日基教団東北教区センター・エマオ(仙台市青葉区)で開かれ約30人が受講した=写真。

 東京、大阪に続き3回目となる今回は、石居基夫(日本ルーテル神学校校長)、古谷正仁(日本聖書神学校教授)、吉田新(東北学院大学講師)の3氏がそれぞれ、「死生学――主のいのちに結ばれて」、「教会教育――原点に返ろう! 教育力の再発見」、「聖書学――原点を味わう」と題して45分の特別講義を行った。

 『キリスト教における死と葬儀』(キリスト新聞社)を上梓したばかりの石居氏は、「信仰を持たずに死んでも救われるのか」という遺族からの問いかけを例に、かつての自然や共同体が失われる中で、死の受容をめぐる現代的な課題に直面していることを指摘。キリスト教における「死といのち」の位置づけについて、聖書の記述を中心にひもといた。

 古谷氏は、日基教団の教会で出席する子どもの減少を嘆く声がある中で、「そもそも教会はどのように子どもを教育してきたのか」について、初代教会の教会教区(カテケーシス)との比較から、教会が教育力を強化する上で重要なポイントを示した。

 また、何かが「できる」ことが尊く、「できない」と価値がないと思い込んでしまうような「条件付きの愛」が満ちている中で、「無条件の愛を伝えられるのは教会だけ」と教会教育の持つ可能性を強調した。

 吉田氏は、「聖書の面白さが本当に伝わっているか」と問い、わたしたちキリスト者自身が原典(ヘブライ語・ギリシャ語)を味わい尽くすことの重要性を指摘。「ペトロの手紙Ⅰ」を例に、原典の歴史的背景とその意図を理解し、解釈の多様性を味わう過程を実際にたどりながら解説した。最後に、「聖書の言葉を現代の状況に合わせて読むことは、原理主義への対抗手段として有効」と結んだ。

 講義の模様はすべてDVDとして雑誌「ミニストリー」の付録になる予定。

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