映画「沈黙」の公開が来年に決定 戦後キリスト教文学の金字塔 2016年9月17日

              Photo Credit Kerry Brown

 戦後キリスト教文学の金字塔として名高い遠藤周作の『沈黙』を映画化した、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙――サイレンス』(原題「Silence」)が、2017年に公開することが決定した(KADOKAWA配給)。

 1988年に原作と出会った同監督による映画化の話は、2009年前後から耳目を集め、一時は渡辺謙の出演も取り沙汰されたが、さまざまな事情から撮影が大幅に延期。今年5月、台湾での撮影を終え、公開期日の決定に至った。

 原作は、17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために日本にたどり着いた宣教師の目に映った想像を絶する日本を舞台に、人間にとって本当に大切なものとは何かを、壮大な映像で描いた歴史大作。

 キャストはアンドリュー・ガーフィールド(『アメイジング・スパイダーマン』)、リーアム・ニーソン(『シンドラーのリスト』)、アダム・ドライバー(『スター・ウォーズ フォースの覚醒』。日本からはキチジロー役の窪塚洋介に加え、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシらが参加する。

 脚本は『ギャング・オブ・ニューヨーク』でアカデミー賞ノミネートのジェイ・コックス、撮影は『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞ノミネートのロゴリゴ・プリエト。美術は『ヒューゴの不思議な発明』などでアカデミー賞3度受賞のダンテ・フェレッティ、編集は『ディパーテッド』などでアカデミー賞3度受賞のセルマ・スクーンメイカーなどがスタッフとして携わる。

 今回の公開決定を受けて、信徒らからは「早く観たい」「もう一回読み直してみよう」と早くも公開を待ち望む声が寄せられている。

 アメリカでは2016年末にパラマウント・ピクチャーズにより公開予定。KADOKAWAは米IMグローバル社より権利を取得し配給を行う。

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