東京国際ブックフェア キリスト教書も幅広く 2016年10月15日
日本聖書協会ブースに1千人 「100選」の展示など他社書籍も
100万冊の本を展示・販売する国内最大規模の本の展示会「東京国際ブックフェア」(同フェア実行委員会・リードエグゼビジョンジャパン主催)が9月23~25日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、世界20カ国から出展した470社のブースに延べ4万人余が来場した。
23回目を迎える今回は、作家の林真理子氏、朝井リョウ氏らによる講演をはじめ、アイドルグループ「乃木坂46」(読書選抜メンバー)によるトークショーなども行われ、連日賑わいを見せた。キリスト教出版界では2007年から続けて出展している日本聖書協会が唯一ブースを構え、「これだけは読んでおきたいキリスト教書100選」にまつわる展示・販売も展開し、会期中に延べ1千人ほどの来場者が足を止めた=写真右上。
日本聖書協会の出展スペースは会場入口に隣接していたこともあり、来場者が目印として活用する姿も見られた。今回は信者以外の一般読者をより意識し、『アートバイブル』や子どもが持ちやすい取っ手付き聖書絵本『いつもいっしょ』シリーズ、新共同訳聖書と英語標準訳聖書(ESV)との和英対照聖書『ダイグロット・バイブル』などを前面に押し出した。
また、昨年の夏期例会での提案を受けて、「これだけは読んでおきたいキリスト教書100選」に選ばれた100冊のほか、キリスト教本屋大賞にノミネートされた他の出版社による書籍も並べられ、より幅広くキリスト教書に触れてもらうための工夫が施された。
来場者の中にはキリスト教主義学校の在校生や卒業生、教会の関係者らも多く、聖書の訳文や装丁の違いなどについてスタッフの説明に熱心に聞き入る姿が見受けられ、「希少本を見ることができて感激した」「こんなに多くのキリスト教書が売られているとは知らなかった」などの声も聞かれた。
また、聖書をモチーフとしたアナログゲーム「聖書コレクション」シリーズ(キリスト新聞社)の展示コーナーを見た若者は、「まさか、ホントの『神ゲー』だった」などと驚きの声を上げていた。
かつてはカトリック系出版社が合同で出展した年もあったが、ここ数年はキリスト教出版界の影は薄くなりつつある。昨年、大々的にブース展開をして注目を浴びたものみの塔(エホバの証人)と末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の姿も今回は見られなかった。
担当者によれば、今後も日本聖書協会の出展が続く限り、何らかの形でキリスト教専門出版社の書籍も出品を考えたいという。
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日本キリスト教書販売株式会社(日キ販)は9月23日、大田産業プラザ(東京都大田区)で、クリスマス用品を展示する「クリスマス見本市&キリスト教ブックフェア」を開催した=写真下。この見本市は、キリスト教の専門出版社、用品メーカーなどが一堂に会し、新商品のプレゼンなどを行うもの。
今年は明石書店、イーグレープなどが新たに加わり、約40社が出展。全国から書店、幼稚園、保育園の関係者、信徒ら約130人が来場して各出展社のブースを回り、ひと足早いクリスマス気分を満喫していた。
同会場の別室では、順天堂大学教授の樋野興夫氏(がん哲学外来理事長)を招いた特別講演「空っぽの器で――教会でがん哲学外来を始めるには」も開催された(日本キリスト教団出版局主催)。