公正求めるフィリピンの女性覚え 「世界祈祷日」に全国で祈りささげる 2017年3月25日
3月の第一金曜日は世界祈祷日国際委員会(本部=米ニューヨーク)が推進する「世界祈祷日」。毎年世界各地でテーマに沿った祈りがささげられている。今年は「わたしはあなたに不当なことをしているか?」をテーマにフィリピンが礼拝式文の作成国となった。
日本では全国69カ所で集会が持たれた。3月3日、日基教団富士見町教会(東京都千代田区)で行われた東京地区の礼拝には、教派を超えて102教会・2団体から248人が出席した=写真。
礼拝は、「ようこそ」「万歳」などを意味するタガログ語の「マブーハイ」というあいさつで始まり、経済的公正を求める3人のフィリピン人女性の声が紹介され、子ども、海外で働く労働者、青年、先住民、農業従事者と労働者のためにとりなしの祈りがささげられた。
今年の東京地区の礼拝準備は救世軍が担当。軍国女性部会長のシェリル・メイナー氏がマタイによる福音書20章1~16節の「ぶどう園の労働者のたとえ」から奨励を行った。
同氏は、このたとえ話の中心はぶどう園の主人=神だとし、豊かな愛と恵みを持って神の方から人を探しに来ることに注目。神が与える聖霊によって人も神に引き寄せられていくのだと述べた。
「自分が神からどのようなものを受けているか気付くならば、自然と感謝と礼拝が生まれてこないだろうか」と問い掛け、神の恵みに与ることのできる人は、自分のことだけでなく、周囲の人のことも気に掛けることができるようになると指摘した。
世界祈祷日は、1877年に米国の女性たちが移住者や抑圧されている人たちを覚えて始めたもので、2度の世界大戦の後、和解と平和を祈り求める世界的な運動に発展した。
日本では1932年から、第二次世界大戦中を除き、毎年開催されている。49年より、日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会が日本での式文の発行や献金の送金などの責任を担っている。
来年は、南米のスリナムが式文作成国となる。