地域に開かれた教会のあり方模索 カフェやシェアハウスなど実践を紹介 2017年3月25日
東京ミッション研究所(東京都東村山市、東條隆進所長)は2月27日、冬季フォーラム「地域社会に開かれた教会」をお茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催した。昨年に続き2回目の開催となる今回は、横山聖司(基督聖協団目黒教会牧師)、犬塚契(日本バプテスト連盟ふじみキリスト教会牧師)の両氏がそれぞれの取り組みを紹介し=写真、22人の参加者と意見を交わした。
地域の町内会長を14年間、民生児童委員を10年間務めてきたという横山氏。地域の人々と一緒に食事をすることで、人間同士の「親しさ」を享受したいと、東京・目黒の基督聖協団目黒教会で毎月第一水曜日、午前11時半~午後2時に「コーヒー仲間」というカフェを開いている。生活保護の受給者や年金暮らしの高齢者のために、参加費250円で昼食とデザートを提供。ミニ賛美歌コンサートと聖書のメッセージの時間もある。平均35人ほどが参加している。
同氏は「教会は地域の自治会や町内会などとの接点を模索するとよいのでは」と提言。地域と苦楽を共にすることで、その中に教会の居場所が生まれてくると指摘した。
礼拝者が年老いても最後まで礼拝できる教会づくりが夢だと語る犬塚氏は、神奈川県平塚市に日本バプテスト連盟ふじみキリスト教会が運営するチャーチハウス「南カナンハウス」を開設した。同教会の会員とその一親等の家族が入居できるシェアハウスで、家賃は月額7万1千円(1日2食付き)。定員は5人(女性に限る)。
入居していなくても食事だけの参加も可能で、パートナーを亡くした一人暮らしの人などに参加を呼び掛けているという。同氏は、「地の塩」の働きとして世界を「ほっとさせる」働きをしていきたいと語った。
2人の発題を受けて東條氏は、パウロの宣教論から「教会は当然地域に開かれるべきであり、地域を愛するべきであり、地域と共に歩むべき」とコメント。「仕える者として洗足の精神で関わっていくことが教会の取るべき姿」だと述べた。