「バッハ」テーマにオルガン会議 オルガニストから愛好家まで220人集う 2017年4月15日
日本オルガン研究会(東京都千代田区、廣野嗣雄会長=東京芸術大学名誉教授)が主催する「日本オルガン会議」が3月24~26日に開催された。この会議は、オルガン作品や楽器、演奏法についての情報交換や研究を目的としたもの。
7年ぶり8回目となる今回のテーマは「21世紀のバッハ像――作品と楽器をめぐって」。1人の作曲家に焦点を当てるのは今回が初。過去7回の会議では一般の人にオルガンを知ってもらうため、オルガンの歴史や楽器をテーマにしてきた。
開催2日目の25日、会場の国際基督教大学(東京都三鷹市)に220人が集った。2016年に独ライプツィヒで行われた「第20回バッハ国際コンクール」で日本人初の1位となったオルガニストの冨田一樹氏による演奏の後、四つの講演が行われた。
メインゲストとして招かれたのは、ジャン=クロード・ツェーンダー氏(スイス・アルレスハイム大聖堂オルガニスト)=写真。同氏は、12年に『J・S・バッハオルガン作品全集』第4巻を、15年には同第8巻を独ブライトコプフ・ウント・ヘンデル社から刊行しており、バッハ研究の第一人者と言われる。
音楽学者による最新のバッハ研究に基づいて10年から刊行が開始された同全集は全10巻からなり、8巻まで刊行、現在も編纂が進められている。
同研究会の運営委員で同会議実行委員の湯口依子氏(日本福音ルーテル市ヶ谷教会オルガニスト)によると、今回の会議の企画時に、同全集の出版が始まったことが、バッハをテーマにした一つの理由。
24日と26日は、それぞれ明治学院礼拝堂(東京都港区)と聖グレゴリオの家聖堂(東京都東久留米市)でツェーンダー氏によるコンサートが行われ、特徴の異なるオルガンの音色が披露された。24日は約240人、26日は約150人が参加した。
1973年に創立された同研究会は、全国のオルガニスト、オルガンビルダー、研究者、著述家、一般愛好家約560人が会員となっており、誰でも入会できる。問い合わせは同研究会事務局(東京ルーテルセンター内、℡03・3237・0340、火・木曜)まで。