子どもの「こころのケア」に活用を チャイルド・ファンド・ジャパンが冊子制作 2017年4月22日

 昨年4月の熊本地震で影響を受けた子どもたちのこころのケアに活用してもらえるようにと、認定NPO法人チャイルド・ファンド・ジャパン(東京都杉並区、高田和彦理事長)は、ルーテル学院(東京都三鷹市、松澤員子理事長)と協働して、「被災後の子どもの安心のために保育者ができること」と題する冊子(B5判、36ページ=写真)を制作した。子どもたちへの接し方のヒントや、熊本県内の保育者による実際の体験がまとめられている。

 チャイルド・ファンド・ジャパンは、熊本地震への復興支援の一環として昨年5月、「被災地の親と子どものこころのケアQ&A」と題するウェブサイトを公開。7月にはその内容をまとめたポケットブックを制作し、熊本県内の662の幼稚園、保育園、子ども園の約6万4千人の保護者に配布した。

 今回の冊子は、「子どものこころのケア」と、熊本の保育者の体験を紹介する「私たちがやったこと」の2部構成。これまでと同じく、児童臨床心理を専門とする加藤純氏(ルーテル学院大学教授)が執筆した。

 「子どものこころのケア」では、トラウマ、グリーフ、ストレスという三つのこころの傷の違いを解説。こころのケアには、子どもの変化に気付くこと、子どもが安全や安心を体験できること、人とのつながりを感じられることが大切だとして、遊びや絵を使う時、子どもの話に耳を傾ける時の具体的な方法や注意点を記している。

 「私たちがやったこと」では、震災後に正式には休園していても園を利用してもらえるように工夫した例など、保育者の実体験を紹介しながら、「園を開放した場合の危険性も考慮する必要があります。行政への相談や保護者への説明と同意書など、万一に備えることも大切です」といったポイントをまとめている。

 冊子は熊本県内の保育者を対象に作成されているが、地域を問わず平時の保育の場における防災の取り組みや災害への備えとして活用できる。チャイルド・ファンド・ジャパンのサイト(https://www.childfund.or.jp/files/kokorono_care_Kumamoto.pdf)からPDFファイルをダウンロードすることができる。

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