信仰的な未来望むため過去に学ぶ NCC教育部が「平和教育資料センター」開設 2017年6月17日
日本キリスト教協議会(NCC)教育部(石田学理事長)は5月29日、東京・早稲田にある日本キリスト教会館の同事務局内に「平和教育資料センター」を開設した。同教育部は今年5月に設立110周年を迎えるのを記念して同センターの開設に向けて支援を呼び掛けてきた(本紙3月18日付既報)。
同センターは、中高生や教会リーダーに向けて日曜学校の歴史や戦前、戦中の教会の歩み、戦争協力の道を歩んだ出版物などの展示、戦後のキリスト教学校の平和教育などを資料として展示することで、平和を創り出す働き人としての視点を養うことを目的としている。
27日には開設記念礼拝・講演会が行われ、約40人が参加した。「未来を望む人は過去に学ぶ」と題して説教した石田氏は、同センターに日曜学校や教会が戦争協力した時の出版物が展示されていることに触れ、歴史を信仰的な批判の目で見て学ばないことには、信仰的な未来を望むことはできないと強調。「負の歴史は、信仰的な道を踏み外さないための導きの光にすべき。そうでなければ過去の過ちはむだになる。わたしたちは過去から学ばなくてはならない」と訴えた。
さらに、「同センターにより、人間の権利と尊厳のかけがえのなさを実感し、キリストの平和を創ることが教会と教会教育の目標であることを確信できるようになる」と語った。
記念講演会では大河内秀人氏(浄土宗見樹院、寿行院住職)が「宗教者に託されている平和教育とは」と題し講演。戦争とは資源獲得のために起こるとし、平和に立脚するためには、自国の豊かさのために他国から物を収奪している仕組みを見直さなくてはならないと主張した。
岡田仁氏(富坂キリスト教センター総主事)がこれに応答し、平和のためには国家間だけではなく、個人レベルで人々がつながり合うことが必要だと述べた。
センターの開館時間は、月・水・金曜の午後12時半~5時。料金の問い合わせは同センター(℡03・3203・0731)まで。