「わたしたちは平和の道具」 ムニブ・ユナン氏が来日講演 2017年8月11日

  2010年から今年5月までルーテル世界連盟(LWF)議長を務めたムニブ・A・ユナン氏(ヨルダン及び聖地福音ルーテル教会=ELCJHL=監督)が7月24日、カトリック麹町教会マリア聖堂(東京都千代田区)で「争いから交わりへ」と題し講演した。カトリック教会/日本福音ルーテル教会共同委員会が主催し、カトリック教会からは岡田武夫氏(カトリック東京教区大司教)と髙見三明氏(カトリック長崎教区大司教)、ルーテル教会からは立山忠浩氏(日本福音ルーテル教会総会議長)らが列席、約120人が参加した。

  ユナン氏は2005年にエルサレムで聖地宗教評議会(CRIHL)を立ち上げるなど、ユダヤ教徒、キリスト教徒、ムスリムの対話促進に献身し、他教派や他宗教との対話と和解を目指すエキュメニカル運動を進めた。26日に行われた、庭野平和財団による第34回庭野平和賞の授賞式に合わせて来日した。

 同氏は講演で、この50年カトリックとルーテル教会が和解を目指して積み重ねてきた神学的対話が、2013年に「一致に関するルーテル=ローマ・カトリック委員会」が出版した『争いから交わりへ』の文書に結実したと言及。 

 それを元に、昨年10月31日の宗教改革記念日にスウェーデンのルンドでカトリックとLWFの共同礼拝が開催され、LWF議長だった同氏と教皇フランシスコが共同声明に署名をするという「歴史的和解」に至ったことを紹介した。

 同氏はこれにより世界に向けて「神の恵みによる自由」を証ししたとし、2017年は自由を記念する年であり、神の恵みにより抑圧や分裂などはすでに力を持たないと主張。「わたしたちは愛の使徒であり、人権の守り人であり、平和の道具であり、正義を届ける仲介者」だと訴えた。さらに、ルンドでの和解の成果を留まらせず、次の宗教改革500年のために、聖霊に導かれつつ、愛と恵みを世界に告げていかなくてはならないと結んだ。

 11月23日には、日本福音ルーテル教会と日本カトリック司教協議会の共催により、宗教改革500年を共同記念するシンポジウムと記念礼拝が、カトリック浦上教会(長崎市本尾町)で行われる。問い合わせは、日本福音ルーテル教会事務局(℡03-3260-8631)まで。

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