大宮で平和を求める8・15集会 弁護士の伊藤朝日太郎氏が講演 2017年9月11日
終戦から72年目を迎えた8月15日、日本基督教団埼玉地区社会委員会(本間一秀委員長=川口教会牧師)が主催する「平和を求める8・15集会」が大宮教会(さいたま市大宮区)で開かれた。弁護士の伊藤朝日太郎氏(同教団同志社教会会員)が「集団的自衛権を考える――きたるべき改憲発議・国民投票にどう立ち向かうか」と題して講演。約90人が参加した。
同氏は集団的自衛権について、「小国が軍事的に押しつぶされないようにするために共同防衛する」という理念から始まったものだと述べつつ、「歴史上使われてきた集団的自衛権の例の多くは、大国の小国に対する軍事攻撃と、その大国に追随する同盟国による軍事攻撃」だと指摘。安保法制の成立によって日本が集団的自衛権を限定的に行使できるようになったことは、「大国の側に立って軍事攻撃をする」ことが本質にあるとして、「あってはならない」と反対の姿勢を示した。
その上で、安倍晋三首相が目指す「自衛隊明記の憲法改正」とは、「安保法制を前提として自衛隊を置く」ということであり、単に「憲法9条に自衛隊を明記する」というだけでなく、集団的自衛権を行使する任務を持つ現在の規模の自衛隊を憲法上認めることだと強調。仮に自衛隊の保持を憲法に明記する場合、軍事組織をコントロールするための条項を設けなければ、軍事組織の膨張と暴走をもたらすことになると警鐘を鳴らした。
憲法改正の発議から60日以上180日以内に行われる国民投票については、選挙とは異なりメールや戸別訪問などによる呼び掛けが可能だとし、萎縮せずに意見表明すべきだと主張した。
最後に、パワースポットなど「スピリチュアル」なものがブームになる中で、キリスト教はその対極にあるとし、「最も貧しく弱く、虐待されて殺されたイエス様こそがわたしたちの救い主。世の中がスピリチュアルなものに動員されていっているような今こそ、キリストを伝えることが大切なのではないだろうか」と訴えた。