歌を心の支援物資として 〝神さまの道具になりたい〟と森祐理さん 2017年9月21日
1991年から93年までNHK「ゆかいなコンサート」で歌のお姉さんを務め、1992年からキリストの愛を歌で伝えたいと思い『福音歌手』として活動を始めた森祐理さん。
それから3年後の95年に阪神淡路大震災でただ一人の最愛の弟を失った経験から、各地で災害に遭われた人たちに歌を「心の支援物資」として届ける活動も展開している。今年活動25周年を迎えた森さんに、今も続ける活動にかける思いを聞いた。
〝被災者の心の痛みに寄り添いたい〞 弟の死がつないだ命と支援の輪
阪神・淡路大震災を機に95年から開始した被災地での活動について「弟の命から託された一生の使命」だと語る森さん。弟の死から悲しみだけに留まらず、死を乗り越える力も得たという。弟の命が土台となり、命の希望を届ける熱意となった。その根底には、被災者の心の痛みに寄り添いたいという強い願いがある。
「悲しみと痛みの中にいる方々に接し、その中で生きる人たちと向き合えることは大きな恵みです」
「阪神・淡路大震災1・17のつどい(神戸市追 悼式典)」でも、2010年から6年連続で「献歌」を行っている。東日本大震災の被災地支援コンサートは、今日まで130カ所を超えた。
阪神・淡路大震災後、被災地のがれきの中で歌っていた時、その歌声を聴いた教誨師をする牧師から、「神戸拘置所でも苦しい思いをしている多くの人がいるので歌ってほしい」と依頼を受けた。その出会いをきっかけに、拘置所や刑務所での慰問コンサートも続けている。刑務所で3度、森さんの歌を聴いたというある受刑者は、出所後すぐに直接コンサート会場を訪れ、更生後初のボーナスを折からの中越地震で被災した人々に届けてほしい、と森さんに託したという。
「弟の死がなければ、刑務所で歌うこともなく、その人と会うこともなかった。弟の死がその人の命につながって、その人がまた他者を支援している。神さまのなさることは本当に深い意味があると思う」
2013年の年末、無理をして声が出なくなり、福音歌手になって初めてコンサートをキャンセルせざるを得なくなった時のこと。部屋でひとり呆然としている時に、「わたしが歌えても歌えなくても、そのままの自分を主は命がけで愛してくださっている」と分かった。
「この愛を伝えたい」と思うと同時に、コンサ ートでどんなに励ましを届けても、会場にすら来られず、部屋にいることしかできない人がいることに気付いた。自身に何ができるかを考え、福音を語るラジオ番組「モリユリのこころのメロディ」(ラジオ関西)を始めようと決心した。
海外でのコンサートなども含め、すべての活動 は「神さまの愛と永遠の命につながる天の希望を伝える」ため。25周年を迎えた今、「賛美すること、語ることのすべてを神さまと皆さまへの感謝としたい。25周年はあくまでも通過点。天国に行く日まで、現役で賛美をささげ続けたい。神さまの道具となりたい」と決意を新たにする。
25周年コンサートは、1部が朗読ミュージカル「三本の木」。これは、三本の木がそれぞれの夢を持っていたが、もっとすばらしい形で神さまの役目を果たすという物語。朗読と賛美でつづられるストーリーの中には、イエス・キリストの生涯も語られる。2部は感謝コンサートを行う。
スケジュールは以下。
【香川】9月18日(月)サンポート高松(終了)
【釧路】9月23日(土)後3時~、釧路市民文化 会館小ホール(修了)
【静岡】9月30日(土)後3時~、 静 岡市清水文化会館マリナート小ホール
【愛知】10 月7日(土)後3時~、名古屋市東文化小劇場、
【東京】10月13日(金)後6時半~、 なかのZERO小ホール(手話通訳 あり)
【関西】10月21日(土)後3 時~、芦屋市民センタールナ・ホ ール。
チケットは3千円(大人)、 1500円(小学生以下) 、 無料(未就園児)。
収益は被災地復興支援に用いられる。
問い合わせは Tel 06-6762-2324
Eメール= moriyurimusicアットマークgmail.com
チケ ット専用アドレスmoriyuri25アットマーク gmail.com(モリユリ・ミュージ ック・ミニストリーズ)まで。