山室軍平の生涯描いた映画『地の塩』公開 2017年10月11日

 日本人初の士官として日本救世軍の創設発展と慈善事業や廃娼運動などに尽力した山室軍平(1872~1940)。その生涯を描いた映画『地の塩 山室軍平』(制作:現代ぷろだくしょん、配給:アルゴ・ピクチャーズ)が10月21日から公開されるのに先立ち、9月22日、東京・神保町の救世軍本営「山室軍平記念ホール」でプレミア上映会と舞台あいさつが行われた。

 登壇したのは、監督の東條政利さん、救世軍司令官役として出演もしたケネス・メイナーさん(救世軍日本司令官)、山室軍平を演じた俳優の森岡龍さん、友人・政吉役の兒玉宣勝さん=写真右から。

 役作りのため、撮影中は禁酒するなど実生活でも節制していたという森岡さんは、「遠い昔の話ではあるが、今もどこか通じるような世の中の痛みというものが絶えずあり、映画を通して何か学ぶものがあるのではないか」とあいさつ。撮影前には救世軍の礼拝に出席したり、山室軍平の書物などに触れて役作りに臨んだという。東條監督は「行動を通して愛を実践した山室軍平のような人が、こういう時代だからこそ必要。実際に人のために活動されている方々を勇気づける作品になれば」と期待を寄せた。

 同日夜に開かれた救世軍主催による記念シンポジウム「『愛の人』山室軍平の誕生秘話」では、木原活信氏(同志社大学教授)が講演し、山室軍平が日本の社会福祉において果たした役割と意義、さらにはその時代的限界についても紹介した。

 本作は10月21日より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。

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