賀川豊彦著作選集発行 記念会で関係者ら集う 2017年12月25日

 アジア・ユーラシア地域の要請に応える研究機関として絶対価値の創立を図るアジア・ユーラシア総合研究所(川西重忠所長)は11月7日、アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で『賀川豊彦著作選集』の発行を記念する会「世界と日本に賀川豊彦が残したもの、継承するもの」を開催した。

 この『著作選集』は全5巻にわたって賀川の名著を復刻しようと企画され、このほど第1回配本として「一粒の麦」「乳と蜜の流るゝ郷」を収録した第3巻が発行された。

記念会では杉浦秀典氏(賀川豊彦記念松沢資料館副館長)による司会のもと、金井新二(賀川豊彦記念松沢資料館館長、東京大学名誉教授)、川西重忠(桜美林大学名誉教授)=写真、岡本圀衛(日本生命会長)、伴武澄(国際平和協会会長、元共同通信記者)、榑松かほる(桜美林大学清水安三記念会代表)、鳥飼慶陽(日本基督教団番町出合いの家伝道所牧師、「イエス団」評議員)の各氏が発言。

 「賀川豊彦の今日的意義、協同組合の思想」と題して発言した金井氏は、「協同組合が広がれば戦争は起こりにくくなるという見通しを賀川は持っていた」とし、「災害に際して助け合う、競争するより協同するという協同組合の掲げる理想は社会の隅々まで共有されていい」と述べた。

 今回、選集の編纂にあたって中心的な役割を担う川西氏は、「賀川豊彦を忘れてはならない」「世界で評価された日本人の偉業を承継してほしい」との思いが動機だったとし、「賀川に学んで実行する人が生まれてしい」と期待を寄せた。

 10年前まで賀川の存在すら知らなかったという岡本氏は、鳴門市の賀川豊彦記念館をたまたま訪ねた際に『死線を越えて』を入手。以来、賀川の生き様に魅せられ、「教養主義を越えた『行動の人』」として日経新聞のコラム「リーダーの本棚」でも紹介したとの逸話を披露した。

 総合研究所では現在、他の巻の編集作業も進めており、来年以降、随時刊行される予定。

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