「エルサレム」問題で世界は緊張感漂うクリスマス 2018年1月11日
イエス・キリストの生誕地とされるヨルダン川西岸のパレスチナ暫定自治区ベツレヘムの聖カテリナ教会で12月24日深夜から25日未明にかけて、恒例のクリスマス・ミサが行われた。トランプ米大統領が6日、エルサレムをイスラエルの首都と承認したことに世界各国は衝撃を受け、例年と比べて緊張感漂うクリスマスとなった。
聖カテリナ教会に隣接する、キリストが生まれたとされる洞穴の上に建てられた「聖誕教会」前の広場に大きなクリスマスツリーが飾られたが、観光客は減っている。教会の前では、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めたことに抗議する垂れ幕が掲げられるなど、例年とは異なる雰囲気。
自治区では連日、デモ隊とイスラエル軍の衝突が続き、パレスチナの赤十字組織にあたる赤新月社などによると、6日以降、12人が死亡、4千人以上が負傷している。
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韓国では、全土の教会でキリストの誕生を祝う礼拝が行われ、プロテスタントの韓国キリスト教総連合会はクリスマスのメッセージを発表、「寒さと苦痛の中にいる人たちのことを忘れずに、謙遜の姿勢で他人に配慮する生活を実践しよう」と述べた。
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ウクライナは、正教会の伝統にしたがって1月がクリスマスの祝日だが、ロシアとの対立を背景にヨーロッパとの接近を図る中、初めて12月25日もクリスマスの祝日となり、首都キエフの広場は大勢の人でにぎわった。
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教皇フランシスコは24日夜、バチカンのサンピエトロ大聖堂で、クリスマスイブ恒例のミサを行い、苦境にある各地の難民らに対する思いやりを持ち続けるよう訴えた。また、ベツレヘムを訪れた聖母マリアとヨセフが泊まる場所を見つけられなかったことに触れ、難民らを受け入れる心を持つよう呼びかけた。ミサには1万人の信者が聖堂で参列したほか、外の広場にも大勢の人々が集まった。(CJC)