被爆者と共に獲ったノーベル平和賞 恵泉女子大と多摩市が報告会 2018年2月11日
恵泉女子大学、同大学花と平和のミュージアム(東京都多摩市)と多摩市は1月24日、「オスロ・被爆者・キャンペーン報告会――ノーベル平和賞授賞式2017年に参加して」を多摩市関戸公民館で開催、約130人が参加した。
核兵器廃絶国際キャンペーン=ICAN=国際運営委員メンバーの川崎哲(あきら)氏=写真=を講師に招いている同大は、今回の受賞を受けて多摩市と共に被爆者が授賞式に参加するための募金活動を展開。目標額を大きく上回る約550万円を集め、被爆者である田中煕巳(てるみ)氏(日本被爆者団体協議会代表委員)や藤森俊希氏(同団体事務局次長)らの授賞式への渡航費などに充てた。
川崎氏は、「この賞は被爆者と共に獲った賞」だと言及。授賞式が行われたノルウェー・オスロに訪れていた多くの広島、長崎の人たちが受賞を喜んでいたと話し、「日本の市民社会はノーベル平和賞を喜んでいる。核廃絶は被爆国である日本が世界に向けて発信していかなければならない」と語った。
続いて登壇した田中氏は、過去に何度か被爆者が同賞の候補になっていたことに触れ、日本被爆者団体協議会が受賞できず残念な思いがあったが、オスロに入り広島市長や市井の人々に祝福され、嬉しく思ったと語った。
多摩市は2011年に非核平和都市宣言を発表している。阿部裕行同市長は「日本政府の役割は、核兵器禁止条約を呼び掛けることだ」と締め括った。