【列島縦断 書店員日記】 朋有り、遠方より来たる。 金城芳朗(沖縄キリスト教書店) 2018年4月21日
論語の中に「朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや(一緒に学んだ友が遠くから来てくれる、どうしてこんなに楽しいことがあろうか)」という一文があります。この漢文は同じ道を志した朋友とまた会える喜びは何物にも代えがたいものがある、と教えていると言われています。
先日、同じ大学で机を並べた友(中国人)が来店、偶然再会することができました。在学時はお互いに教会の話もせず、気の合う友人として接していたので、お互いキリスト者であるとは知りませんでした。
十数年経った今、そのことを知り、不思議な神さまの時を感じずにはいられませんでした。コヘレトの言葉(伝道の書)に書かれている通り、すべてはみ手の内なのかなと思うこのごろです。
書店にいるとさまざまな出会いや再会があります。特に、狭い沖縄県の中で、さらに少数のキリスト者、まさしく、知り合いの知り合いは友だちだった……なんてことがよく発生します。
「しっちょうる~の(知っている人の)しっちょうる~は(知っている人は)どぅしぐわ~(同志・友だち)」とは、わたしの口癖です。
また、沖縄の明るくゆるやかなお国柄は、書店の仕事の中でも影響があり、お客様が書籍を探される時、「あの緑の薄いやつ! この前書店で見たあの本がほしいんだけど」と言われ、何とか探し当てると、なんと昭和の本だった……さすがに絶版。そして絶句(笑)。
沖縄のゆるやかな風情はなくならないでほしいなと。だけど、せめて書名くらいは教えてほしかったと雄大に育つガジュマルに訴えたのは、うりずんの晴れた日のことでした。(きんじょう・よしろう)