インドネシアのジャワ島東部の都市スラバヤで5月13日の朝、三つのキリスト教会で爆弾事件が起きた。同国の主要英字紙であるジャカルタ・ポスト紙によると、インドネシア国家警察のティト長官はIS(イスラミック・ステート)につながる過激派組織、ジャマー・アンシャルット・ダウラ(JAD)の関係者がスラバヤの自爆攻撃の犯人だと思われると述べた。この事件による死者は14人、けが人は43人に上り、6人の自爆犯も死亡したという。
地元メディアが伝えたところによると、これらの教会には、同都市グベングのンガゲル・マジャ通りにある「無原罪の聖マリア・カトリック教会」(STMB)、ラヤ・アルジュナ通りにあるスラバヤ中央ペンテコステ教会(GPPS)、ディポネゴロ通りにあるプロテスタント(改革派)のディポネゴロ・インドネシア・キリスト教会(GKI)が含まれているという。
世界教会協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト氏は同日、自爆攻撃を非難した上で「哀悼の意を」示した。GKIはWCC加盟教会の一つ。「この攻撃が礼拝のために集められた人々に対して向けられたこと、そしてこの攻撃が現在進行中の暴力や迫害のすぐ後に続いて起きたことは衝撃的です」とし、「この残虐さに直面して、人類、すべての信仰者と善意ある人々は、共に立って、お互いを尊敬し合い、気遣い合い、お互いを守り合い、そしてこのような暴力を防ぐ責務を、改めて負わなければなりません」と加えた。
WCCはインドネシアのジョコ・ウィドド大統領や、宗教指導者たち、そして同地域全体の政府に対し、「すべての宗教の礼拝者たちが持つ基本的な宗教的権利を保護し、暴力を前にして治安を確保し、すべての人々のために正義を保証するために、迅速かつ大胆に行動するよう」と訴え、「多くの様々な宗教的伝統を表している礼拝の場所が、歌劇主義者たちによって暴力の標的となっているのです」と指摘。
トヴェイト総幹事は、「政府の行動は、キリスト教徒、イスラム教徒、そして全ての宗教者たちが地域レベルで交流し共にどんな暴力的攻撃をも非難するお互いの連帯によって一致させなければなりません」「祈りと行動、そして一致を通じて、私たちはテロと暴力のすぐ後に、愛の強い力をもたらすことができるのです」と述べ、世界中のWCCの交わりや他の人たちに対し、キリスト教徒や迫害されているすべての人々の平和と正義を断固として求め続けるよう強く求めた。
教皇フランシスコは同日のレジナ・チェリ(アレルヤの祈り)で、インドネシアにおける攻撃の犠牲者のために祈り、「平和の神に求めましょう。神がこれらの暴力行為を終わらせてくださるように、そしてすべての人々の心の中に、嫌悪と暴力ではなく、和解と友愛の感情のための場所が見つかるように」と呼びかけた。バチカン放送局が13日に報じた。
一方、GPPSが所属するインドネシア・ペンテコステ教会(GPdI)は、これら三つの教会が攻撃された地域の空撮映像を伝えるテレビニュースの画面を撮影した写真を、GPdIマルチメディア・ミニストリーのフェイスブックに掲載して伝えた。
事件を受けて、GKIが所属するインドネシアのエキュメニカルなプロテスタント全国組織であるインドネシア教会共同体(PGI)は13日、「ジャカルタとスラバヤにおけるテロリズムの暴力に関するPGIの姿勢」と題する記事を公式ウェブサイトに掲載し、ジャカルタで記者会見を行ったと伝えた。PGIによると、総幹事のゴマル・グルトム氏は、スラバヤにあるいくつかの教会を襲ったあの自爆に対して冷静さを保つよう、この祖国にある教会のすべての市民に訴え、「わたしはすべての教会員に対し、恐怖に支配されなければならないことがないように、日常生活の活動を続け、依然としていつものように礼拝を実施するよう、強く求めます。わたしたちは、治安の形態を関係する治安部隊に委ねつつ、すべてを神という避け所に委ねます」と述べた。
さらに、今日発達しつつある暴力やテロの行為と闘う上で、平和の感覚と人類への愛をもたらすという、教会としてのわたしたちの義務は維持されなければならないと続けたという。