「難民は私たちと同じ人たち」 若者向けにシンポジウム  2018年6月11日

 6月20日の「世界難民の日」を記念して「『世界難民の日』特別シンポジウム」が6月2日、グロービス経営大学院(東京都千代田区)で行われた。このシンポジウムは、困難な状況にある世界の子どもを支援する、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ、木内真理子代表)と、日本で暮らす難民の定住支援を行うアジア福祉教育財団難民事業本部(RHQ、藤原正寛代表)が昨年から共催しているもので、今年が2回目の開催。

 今回は「世界の難民危機と私たちにできること――『難民とともに生きる』を若者と考える」と題し、若い世代が難民問題を身近に捉え、次世代の担い手となることを願って開かれた。高校生を含む学生ら約150人が参加した。

 WVJの木内氏は、「多くの難民は18歳以下であり、難民として過ごす期間は10年を超えるため、同世代の人たちに状況を知ってほしい」とあいさつ。前半に行われた活動報告では、新垣修(国際基督教大学教授)、伊藤寛了(RHQ係長)、川内敏月(国連難民高等弁務官=UNHCR=駐日事務所副代表)、中村ゆき(WVJ緊急人道支援課所属)、安田菜津紀(フォトジャーナリスト)の各氏が、シリア、南スーダン、トルコ、日本などそれぞれの難民支援の立場から見た、難民を取り巻く現状を報告した。

 また鈴木菜紘氏(聖心女子大学学生難民支援団体SHRET所属)と、高橋英佑氏(慶應義塾大学学生団体S.A.L. ロヒンギャ難民プロジェクト代表)らが学生代表として、それぞれの団体での活動を紹介した。

 難民当事者として参加したインドシナ難民で、現在は行政機関で外国人相談窓口を担当しているトルオン・ティ・トゥイ・チャン氏は、14歳でボートピープルとして来日した際の過酷な体験を語った。

 後半は登壇者全員でのパネルディスカッションが行われ、「難民は特別な存在ではなく、わたしたちと同じ普通の人。大げさに構えず、できることを一つひとつしていくことが大切」との結論に至った。

世界難民の日(World Refugee Day)
 2000年12月4日の国連総会で毎年6月20日を、アフリカ統一機構難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日」(Africa Refugee Day)から、難民の保護と援助に対する関心を高めるために「世界難民の日」に制定された。

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