キプロスで開かれている世界教会協議会(WCC)総会計画委員会(APC)の会合で、WCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事は、「キリストの愛が世界を和解と一致へと動かす」という、第11回総会のテーマについて省察を行った。WCCが1月10日に公式サイトにアップした記事によると、「道義的な要請としての愛がもつ極めて重大な役割について注意深く考えることは、時宜にかない、また必要でもある」とトヴェイト総幹事は述べたという。
「法と権利は社会秩序を確立し利害や権力の対立を平和的に解決するための手段です」「その一方で、愛は根本的な価値であり、共同体のみんなの権利と尊厳の承認のために、信頼できる枠組みと基礎を確立する行動様式を導くのです」
その上で、愛に基づいて正義と自由を是認することは、いのちが脅かされ権利が侵害されている場合において、是正し変革をもたらす行動へとつながると説明。「構造的な不正義と抑圧からの解放のための闘いにおいて、これは決定的な重要性をもっています」「構造的な不正義は愛する関係のための余地を残すことがありませんが、搾取的で匿名的な交換のパターンを助長し押し付けるのです」と述べた。
法と道徳性、権利と愛は、生存可能で持続可能な共同体におけるいのちの追求において、互いに支え合っているとし、「伝統的には、両者は特定の共同体がもつ文化的および宗教的な遺産と精神に深く根ざしています」と語った。「ただ、あまりにも頻繁に、権利と愛という賜物を、人は自らの共同体に制限したり留保してそれらを他者に広げない傾向があるのです」
「私たちは今日、これを難民や移民の拒絶と特権や優位性の主張に見ることができ、それはこの世界の国々の間や内側の関係をますます毒している」「そのような現実に直面して、私たちは、境界線を超えて人間の尊厳を共に認め解放と公正な関係のための闘いを動機づける、権利と互いの愛が持つ決定的な重要性を理解するのです」
国際連合が世界人権宣言に合意してから70年、そしてマーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士の暗殺から50年を経て、トヴェイト総幹事は、自由と正義のための闘いは続けなければならないと確信していると語った。「私たちの信仰によって動機づけられ、そして愛の道義的な要請に導かれて、私たちは疎外され排除された人々や苦しんでいる被造物を支える構造的な変革と法のために闘うのです」「たとえ私たちの一致が不完全であっても、それには私たちのための、そして全人類のための、そして被造世界全体のための、キリストの愛によって、駆り立てられる次元があるのです」
トヴェイト総幹事は、WCC第11回総会のテーマのための提案は私たちをキリストにある共通の起源へと連れ戻すとし、「それはまた、エキュメニカル運動を表現する一つのかたちとしての『正義と平和の巡礼』へと、私たちをよく結び付けてもくれるのです」とも述べた。