チリ、日本、エクアドル、中国、コスタリカ出身の若手修道女たち のロックバンド「シエルバス」(Siervas)が、 動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)や音楽サービスのSpotify( スポティファイ)、iTunes(アイチューンズ)でヒット曲を飛ばし、 人気を呼んでいる。
「これは、福音の教えを伝え、私たちの強さを示す新しい手段です 。ロックは私たちが好きな音楽で、私たちがどういう人間かについ て多くを表現してくれるのです」とメンバーの1人、シスター・ イボンヌ(37)が話した、とAFP通信は伝えている。
ペルーの首都リマで高層ビルのヘリパッドを舞台に演奏するミュー ジックビデオ「Confía en Dios」(神への信頼)は口コミで広がり、再生回数はYouTubeで170万回を超えている。
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一部のカトリック・ニュースメディアなどによると、シエルバスは 、その公式Facebookやこの動画を観たメキシコのある司祭か らの招待を受け、2016年2月、教皇フランシスコがメキシコの 司牧訪問の最後に同国北部にある米国との国境の街、シウダー・ フアレスで司式をしたミサで演奏を行ったという。
今年の1月22日から27日までパナマで行われる「世界青年の日」(WYD=ワールドユース デー)パナマ大会でも、シエルバスは再び教皇フランシス コを前に演奏すると報じられている。 シエルバスのFacebookに記された日程表によると、1月23 日の「使命に関するコンサート」から26日の「若者との徹夜祭」 に至るまで、連日演奏の奉仕をする予定となっており、シエルバス はそれに向けた準備に励んでいるという。
「自らの曲を通じて、私たちは、信仰の視点から答えを出すことに よって、人間の体験に近づくことを求めています。私たちは福音の メッセージがもつ豊かさを、現代的なリズムをもつ音楽を通じて、 クラシックと現代の楽器を組み合わせて、現代世界にもたらしたい のです」と、シエルバスは自らの公式Facebookで説明してい る。
それによると、これまでシエルバスは、結成された2014年に「A nsias que queman」(燃える熱望)、2016年に「Hoy Despierto」(今日目覚めて)という二つのアルバムを録音 し製作した。後者のアルバムのタイトル曲は、YouTube で再生回数が「Confía en Dios」よりも約50万回多い220万回を超えている。
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シエルバスの歌はすべてスペイン語で歌われているが、YouTubeでは英語の字幕も一部見ることができる。メンバーの中には日本から参加してい るバイオリン担当のシスター・アリサもいるが、歌の日本語訳や来 日の予定は今のところまだ公表されていない。
「奉仕者」「しもべ」を意味するシエルバスのメンバーは、「神の ご計画のしもべ」(Servants of the Plan of God)という、聖別された女子の新しい共同体に所属している。 1998年にアウグスト・ヴァルガス・アルザモラ枢機卿(= 当時)の承認を 得て創立されたこの共同体は、共同で生活し、神の福音を伝え奉仕 における連帯に自らを捧げているという。
シエルバスはこれまで、カトリック・ニュース・サービス(CNS )やバチカン・ニュースなどのカトリック・メディアに加えて、 米国のCNNや宗教ニュースサービス(RNS)、 英国のBBCなどによっても報じられてきており、その人気は今や 国際的なものとなっている。
カトリック宇部教会(山口県宇部市)の主任司祭である片柳弘史神 父は、1月19日、ツイッターでシエルバスに言及し、「修道服をまとったシスターたちの、魂を揺さぶるロックな演 奏、最高です\(^o^)/」と絶賛した。