バチカンがナチスのユダヤ人迫害に弱腰だったピウス12世の秘密文書公開へ 2019年3月15日
教皇フランシスコは3月4日、秘密文書扱いとなっていた第二次世界大戦時の教皇、故ピウス12世に関する文書を、ピウス12世の教皇就任から81周年に当たる2020年3月2日に、バチカン(ローマ教皇庁)の秘密文書館を公開すると発表した。教皇は「カトリック教会は歴史を恐れない」と述べ、ピウス12世が「20世紀の最も悲しく暗い時期」に教会を率いることになったのだと指摘した。
ピウス12世(在位1939~58年)に関しては、ホロコーストをめぐってナチスに対し強い態度で臨まなかったとみなされており、受動的な態度は大量虐殺への共謀に当たる、と非難の声も上がっていた。
秘密文書公開の決定について、AFP通信などは、教皇が、本格的な史実調査によって、ピウス12世が教皇に就いたその時から直面してきたさまざまな困難、苦悩を伴う決定、キリスト教や人道主義に基づいた心痛について、適切な批判と共に公平な視点から評価が下されるものと理解したためと説明したと報じている。
ピウス12世がナチスに対し外交的な警告にとどめたのは、ナチスの占領下にあった欧州の国々におけるカトリック教徒たちを守るためだったとされている。(CJC)