日本同盟基督教団 「即位の礼・大嘗祭に関する宣言」を決議 2019年3月27日
日本同盟基督教団(廣瀬薫理事長)は3月21、22日に開かれた第70回教団総会において、「即位の礼・大嘗祭に関する宣言」を決議した。全文は以下の通り。
即位の礼・大嘗祭に関する宣言
2016年8月8日の天皇によるビデオメッセージを契機として翌2017年に「皇室典範特例法」が成立し、2019年の天皇の生前退位および天皇の代替わり儀式が行われることになりました。そして、今回の代替わり儀式は前回の代替わり儀式を踏襲すること、つまり明治憲法下で公布された旧皇室典範と登極令に基づく儀式を踏襲することが閣議決定されました。天皇の即位に際して行われるこれら一連の儀式は神話に基づいており、新天皇が地上の支配権を継承しその即位を国内外に宣言する儀式です。中でも最重要儀式である大嘗祭は、新天皇が天照大神を迎え、天皇霊を身に受けて神となる儀式です。
日本は戦前戦中、天皇を神格化することによって国民に対して皇民化教育による偶像礼拝を強要し、天皇の名による侵略戦争を正当化しました。1910年には大韓帝国を強制的に併合し、1932年には満州国建国、1937年からは中国との全面戦争、さらに1941年からのアジア・太平洋戦争に至っては広範囲にわたって東南アジア諸国を占領しました。そして植民地では、皇民化政策による日本語の使用、教育勅語の奉読、君が代斉唱・日の丸掲揚、神社参拝・宮城遥拝などを強要し、侵略した国々の人々を強制労働に従事させ、女性を従軍慰安婦として強制動員し性的奉仕を強いるなど人権を蹂躙しました。日本の多くのキリスト教会も天皇の神格化を受け入れ、国民儀礼と称して自ら率先して神社参拝・宮城遥拝などの偶像礼拝を行い、植民地とした国の人々にも偶像礼拝を強要して国家の推進した植民地支配に協力したのです。私たち日本同盟基督教団はこれらの罪を悔い改めます。
日本同盟基督教団は、1990年に開催された第40回教団総会において現天皇への代替わりに際し「大嘗祭に関する教団としての見解」を発表いたしました。このたび2019年に天皇の生前退位による代替わり儀式が再び行われるに際し、「即位の礼・大嘗祭」に関して以下のように宣言いたします。
1.一連の代替わり儀式は、天皇を再び神格化して偶像を作り出すものであり、天地の創造者にして支配者なる唯一全能の神に対する冒涜行為です。そのような冒涜行為をやめまことの神に従うならば、やがて世の終わりに主イエス・キリストが再臨され、生ける者と死せる者とを審判されるときに向かう歴史の中で、この国も神の祝福を受けるでしょう。
2.私たち日本同盟基督教団は、平和をつくる者とされているにもかかわらず侵略戦争と植民地支配に協力し、自ら神格化された天皇に膝を屈め、植民地とした国の人々にもその偶像礼拝を強要した罪を悔い改めました。私たちは今ここに、聖書の啓示するイエス・キリストのみを主と告白し、「信仰と生活の唯一絶対の規範である」神のみことばに聞き従う決意を新たにいたします。
「あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない。あなたは自分のために偶像を造ってはならない。…それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。」(出エジプト記20章3〜5節)
「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」(申命記6章4〜5節)
2019年3月22日
日本同盟基督教団 第70回教団総会