【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 正直どっちでもいい キョウカイブルー 2019年6月21日
つくづく「どっちでもいい」というほかない、という話題が教会で持ち上がることがある。
ブルーの教会では午前中に、子ども主体の礼拝と大人主体の礼拝の2回の祈りを捧げている。子ども主体の礼拝が終わるころ、ロビーには香ばしい香りが満ちていて、自家焙煎されたおいしいコーヒーがサービスされている。恵まれたことに教会には、素晴らしい賜物をもつ奉仕者が何人もいて、その中の1人が自主的にサービスしてくださっているのだ。子ども主体の礼拝が終わった後には、子どものクラスが活動しているのだが、その時に付き添いの大人たちがコーヒーを囲んでおしゃべりしている。うるわしい日曜日の朝の風景ではないか。もちろん中にはコーヒーが苦手で、お茶や他のドリンクを口にしている人もいる。
ところが、大人主体の礼拝に出席するために来た役員から「礼拝前にコーヒーを出してよいのか」という疑問が提起された。礼拝前に来たばかりの人は厳かな気持ちで教会に来ているので、教会の中に入った途端にコーヒーを飲んで談笑している人の姿に遭遇すると、神聖な気持ちが削がれるのだという。また別の人からは、カフェインを受け付けない体質でコーヒーを飲めない人もいるのに、ロビーにコーヒーの匂いが充満しているのはカフェハラ(カフェイン・ハラスメント)だとの声も。役員会では、とりあえずコーヒーを楽しんでいるように思える人たちからもお話ししてもらった。そこでは、朝早くに子どもと準備して、取るものもとりあえず教会にやってきた人たちが、礼拝を終えて最初に口にするドリンクがこのコーヒーであること、コーヒーを飲めない人も楽しく一緒に過ごせる居場所になっていること、何よりも若い家族たちの憩いの場所に育っていることが報告された。
そこから議論が温まり始めるのだが、早々に冷や水をぶっかけておいた。「こんな話題を扱い、喧々諤々長々と議論している今の我々の姿を第三者が見たら、どう思いますかね。また、誰よりも早くに来てコーヒーを淹れてくれている奉仕者がこの役員会メンバーにいることを知りながら、ひと言のねぎらいもないまま議論を進めるわけにはいかないのではないでしょうか」。
いみじくも役員に選出されるということは、他の教会メンバーから信任を得て、教会の宣教活動に関わることを託された集団であるはず。しかも、毎週のコーヒーをサービスしてくれている奉仕者が、この議論の中にいるのだ。教会の活動のすべてには、その背後に必ず慎ましやかに活動する人の存在がある。このことを忘れて大上段に話をするような時間は役員会にはない。
正直に言えば、結論はどっちでもいいのだ。朝、コーヒーがあろうと、なかろうと。ただ、そこに人が働いているという想像力が大切にされたかどうかが問題であったのだ。自分の主張を通すために、全力で「信仰的見地」を述べたり、軽々にハラスメントという言葉を持ち出したりすることが悲しくもあった。
教会にはおぼろげに境界線があり、それを内と外とで分けたとして、内側が豊かで恵まれるのはもちろん、外側に通用する存在でなければならないはず。あんまり恥ずかしい話題を取り扱いたくないな~。もうちょっとマシな議論をしようぜ、大人たち。
キョウカイブルー
青葉良好(あおば・りょうこう)革新的なテクノロジーには目がないインテリ系電脳牧師。クールに見えて実はツンデレ。電子機器を駆使して仕事をどう能率良くできるか、いつも考えている。メンバー内では最年長。武器:最新型タブレット「なんでもできるホン」/必殺技:プチニンノーダー(整理整頓)/弱点:新型ガジェット