日本宣教学会 災害を宣教学的に 「〝希望〟をどこに見出すか」議論 2019年7月21日
日本宣教学会(神田健次理事長)は6月29日、東京・四ツ谷の岐部ホールで第14回全国研究会および第15回総会を開催した。「今、問われている『希望』:災害の問題を宣教学的に考える」を主題とする研究会では、幸田和生氏(カリタス南相馬代表理事、カトリック東京教区名誉司教)が基調講演をした後、戒能信生(日本基督教団千代田教会牧師)、藤原佐和子(アジア・キリスト教協議会常議員)、横田法路(九州キリスト災害支援センター理事長)、川上直哉(東北ヘルプ事務局長)の4氏がそれぞれ、「関東大震災における賀川豊彦の取り組みとボランティア活動」「アジアの女性キリスト者たちと環境正義(eco-justice)エキュメニカル運動の視点から」「災害支援とこれからの日本宣教――ローザンヌ運動との関わりを含めて」「現場の神学と被災地の希望」との題で研究発表を行った。
幸田氏は、東本大震災を機に福島へ移住し、カトリック原町教会の敷地内にあるカリタス南相馬(福島県南相馬市)で被災支援に取り組んできた経緯と現地の状況を報告した上で、「震災が起こる前、教会は特別な人がお祈りに行く場で、地域にとっては何の意味もなかった」という被災者の声を紹介し、キリスト教共同体が被災地にあることの意味、被災者の苦しみに寄り添うことの意味を改めて問い掛けた。
4氏の発表を受け約50人の参加者は、これまでの宣教観がどう変えられ、どこに〝希望〟を見出せるかについて議論を深めた。