「異端カルト110番」サイトオープン 韓国の専門家がセミナーで講演 2019年10月11日

「真相を知りたい」 関係者約100人が一堂に

 韓国・中国のキリスト教系異端やカルト団体に関する最新の情報を日本語に翻訳するサイト「異端カルト110番」(https://cult110.info/)が10月3日にオープンしたことに合わせ、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で同日、韓国キリスト教異端対策セミナーが開催された(「異端カルト110番」主催)。

 韓国における異端研究の第一人者である崔三卿(チェ・サムギョン)氏(大韓イエス教統合派、光と塩教会担任牧師)、韓国キリスト教異端相談所協会会長を務める陳用植(チン・ヨンシク)氏(大韓イエス教長老会合同派、安山常緑教会担任牧師)の2人が講師に招かれ、日本福音同盟(JEA)をはじめとする「福音派」諸教団、日本基督教団の牧師や救出活動に携わってきたカウンセラーなど、関係者ら約100人が参加した。とりわけ国内外で関係が取り沙汰されたクリスチャントゥデイについて、「真相を知りたい」「正確な判断を下したい」というウェスレアン・ホーリネス教団からの参加者も目立った。

「全能神」への警戒も呼び掛け
韓国クリスチャントゥデイ関係者が妨害

 はじめに登壇したのは、「クリスチャン新聞」紙上で長くクリスチャントゥデイ問題を追及してきた根田祥一氏(同編集顧問)。日本でクリスチャントゥデイが活動を始めた2004年当初から、説明に矛盾があったこと、創設者である張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏(ダビデ張)から「来臨のキリスト」と信じるように誘導されたという脱会者の証言を含め、問題の経緯について概略を説明した。

 開設記念礼拝では、「異端カルト110番」代表の張清益(チャン・チョンイク)氏(単立とねりキリスト教会牧師)によるあいさつの後、日本福音同盟(JEA)総主事の岩上敬人(たかひと)氏が「不信者とつり合わぬくびきを負ってはいけません」と題して説教。「今回の講演を通して、神が私たちに何を示しておられるのか改めて考えたい。そのためにより正確な情報を知る必要がある」と同サイトの必要性を語った。

 セミナーで崔氏は、張氏の人物像やこれまでにされてきた虚偽の説明、クリスチャントゥデイの社員と称する人物への違和感などを語り、統一協会の「原理講論」が張氏の教えと「瓜二つ」であることに気付いた韓国クリスチャントゥデイの元広告局長が脱会に及んだ経緯などを紹介した。

 張氏と何度も会ったことがあるという崔氏は、クリスチャントゥデイを通じて発信される疑惑への弁明が相手をおとしめるようなものばかりであると指摘。統一協会で張氏と共に働いたことがあるという人物からの新たな内部資料を紹介しつつ、「韓国では張氏がどのような経緯で統一協会を追放され、自らを再臨主とする宗教を作り、学生を動員して現在のグループを形成したのかについて、すでに全容が分かりつつある」と明かした。

 また、これまでも数々の「名誉棄損」裁判で訴えられたが、この40年間で一度も敗訴したことはないとし、「日本では彼らのやり口や情報が伝わっていないようだが、これから彼らが何をするのか注視してほしい」と訴えた。

 「韓国におけるキリスト教異端の現状と対策」と題して講演した陳氏は、中国発祥の「全能神教会」について教祖の趙維山(ジャオ・ウェイシャン)氏が作り上げ、楊向彬(ヤン・シャンビン)という女性を再臨の「女キリスト」に祭り上げた異端であると解説。中国では100万人以上の信者がいるほか、シンガポール、マレーシア、インドネシア、日本、韓国、カナダ、フランス、米国にまで勢力を拡大しているという。陳氏は、「全能神」の特徴として既成教会のキリスト教徒を布教の対象とし、教会の内部に侵入して乗っ取るという手法を挙げ、背景が明確ではない信徒の受け入れについては慎重に対処するよう警戒を呼び掛けた。

 当日は、会場の入口で韓国クリスチャントゥデイ日本支局長を務めるあいのひかり教団の牧師やオリベットアッセンブリー教団の宣教師らが妨害のために会場内へ入ろうとし、スタッフともみ合う一幕もあった。

 「異端カルト110番」には、今回の講師2人に加え、カルト救出カウンセラーとして約300人の救出に携わった高山正治氏(日本同盟基督教団倉敷めぐみキリスト教会牧師)が特別顧問として就任。異端問題に詳しい河成海(ハ・ソンヘ)(単立狭山のぞみ教会牧師)、パスカル・ズィヴィー(マインド・コントロール研究所所長)、ウィリアム・ウッド(真理のみことば伝道協会代表)の各氏らがアドバイザーとなっているほか、日本福音同盟(JEA)、日本イエス・キリスト教団、基督兄弟団、基督聖協団、ウェスレアン・ホーリネス教団、シオンの群教会、日本キャンパス・クルセード・フォー・クライスト、hi-b.a.、真理のみことば伝道協会、全国統一協会被害者家族の会、全国統一協会被害者家族の会名古屋自助グループ、ビオラの会、聖契神学校などが賛同を表明している。

 同サイトでは、異端カルトに関する相談や情報提供を受け付け中。必要に応じてカウンセラーや法律家と連携して対応するとしている。

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