天皇代替わり 日本バプテスト連盟「信仰表明」採択、カトリック正平協は声明 2019年12月1日
日本バプテスト連盟は11月14日の第65回定期総会において、2002年制定の「平和に関する信仰的宣言」を改訂し、あわせて「天皇代替わりに際しての私たちの信仰表明」を採択した。
信仰表明では、天皇の即位に伴う諸儀式が行われる中、「祝意」は天皇によって与えられるものではなく、国家であっても尊厳ある個人に強制することはできないと主張。かつて、天皇を「現人神(あらひとがみ)」とする天皇制国家に膝をかがめ、侵略戦争に加担してアジア諸国の人々に大きな苦しみを与える過ちを犯したとする同連盟の『戦争責任に関する信仰宣言』に立ち、天皇を再び「現人神」としようとする天皇代替わりの諸儀式に対し「否」を明確にし、主イエス・キリストのみに聴き従い「平和を実現する者」として「主の和解のつとめ」に生きることを表明した。
日本カトリック正義と平和協議会(勝谷太治会長)は11月18日、安倍晋三首相に宛てて「『政教分離』憲法原則の徹底を求める声明」を発表し、天皇代替わりにかかわる皇室祭祀に国が関与し、公金を支出したことに遺憾の意を表明した。
声明では、戦前の日本で神権的天皇像を国民に知らしめるための儀式であった「大嘗祭」に、公金を支出し国が関与することが、日本国憲法の政教分離原則にそぐわないことは明白であるとし、それが「戦前の日本社会のように特殊な民族主義、国家主義や軍国主義、さらに差別やヘイトをもたらす不寛容を社会に波及させ、人間の尊厳と人権、自由と多様性、とりわけ宗教的自由が脅かされることにつながりかねない」と危惧。憲法が掲げる「政教分離、主権在民、戦争放棄」の基本原則を政府が厳守し、世界平和に貢献することを要望した。