日本バプテスト連盟が中村哲さん追悼文を公表 「尊い働き希望に変えられ受け継がれる」 2019年12月9日
アフガン東部で銃撃を受け亡くなった医師・中村哲さん(ペシャワール会現地代表)の所属する日本バプテスト連盟(加藤誠理事長)は12月9日、追悼文を同連盟サイトで公表した。それによると中村さんは、香住ケ丘バプテスト教会(福岡県福岡市)で洗礼を受け、35年前に医師としてペシャワールに赴任して以来、「神を信じ、人を信じ、いかなる時にも現地の人々と危険と労苦を共にして」取り組んだ。その働きは「『天、共に在り』の確かな信仰に裏打ちされたもの」「むさぼりと敵意があふれ、毎日おびただしい悲しみを生み出している世界にあって、……あの最初のクリスマスに輝いた星のごとく、私たちにいつもイエス・キリストの平和の道を指し示し導くもの」だったという。「私たちは今、その大きな星を失った悲しみに打ちのめされています」としながらも、中村さんの働きは「平和の源である神のもとで必ずや人々の心を照らし続ける希望に変えられ受け継がれていくことを信じる」と宣言している。
全文は以下の通り。
追悼
ペシャワール会現地代表である中村哲さんの訃報に接し、心から哀悼の意を表します。
イエス・キリストのご降誕をお祝いするアドヴェントの第一週にアフガニスタンから届いた悲報に私たちは大きな衝撃を受けました。
中村哲さんはその若き日、福岡の西南学院中学校在学中に聖書を通してイエス・キリストに出会い、香住ケ丘バプテスト教会においてバプテスマを受け、クリスチャンとしての歩みを始められました。35年前に医師としてペシャワールに赴任されて以来、神を信じ、人を信じ、いかなる時にも現地の人々と危険と労苦を共にして取り組まれた働きは、『天、共に在り』の確かな信仰に裏打ちされたものでした。また、むさぼりと敵意があふれ、毎日おびただしい悲しみを生み出している世界にあって、中村哲さんの存在と働きは、あの最初のクリスマスに輝いた星のごとく、私たちにいつもイエス・キリストの平和の道を指し示し導くものでした。
私たちは今、その大きな星を失った悲しみに打ちのめされています。しかしながら、イエス・キリストの十字架が人間の罪の暗闇に呑み込まれて終わることなく、復活の命の出来事に変えられて世界中の人々に希望を与えていったように、中村哲さんがご自身の存在すべてを賭けて取り組まれた尊い働きは、平和の源である神のもとで必ずや人々の心を照らし続ける希望に変えられ受け継がれていくことを信じるものです。
このとき深い悲しみの中におられる中村哲さんのご遺族の上に、同じく犠牲になられた現地スタッフのご遺族の上に、またペシャワール会の関係者の皆様の上に、主なる神ご自身の慰めが豊かに届けられますように、心からお祈り申し上げます。
日本バプテスト連盟 理事長 加藤 誠