新宿・緊急街頭宣伝でNCC金総幹事 「祈りの手を合わせ平和の叫びを」 2020年1月23日
イランのカセム・ソレイマニ司令官殺害による国際情勢の緊迫化、昨年12月の自衛隊中東派遣閣議決定を受け、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は1月8日、新宿駅前で緊急街頭宣伝を行った。国会議員から小池晃氏(日本共産党)、菅直人氏(立憲民主党)、市民代表として日本国際ボランティアセンター代表理事の今井高樹氏などが登壇する中、宗教者を代表して日本キリスト教協議会(NCC)から総幹事の金性済(キム・ソンジェ)氏が発言した。
金氏は、「私たちが誇るべき日本国憲法の9条が、外堀が崩されるようにして破壊されてきた。そのような道を私たちの国が歩んできてしまったことを深く反省し、振り返らなければならない」と、集団的自衛権の閣議決定(2014年)、安全保障関連法の成立(2015年)など、ここ数年の動きを回顧した上で、第二次世界大戦における日本軍の虐殺行為や宗教の翼賛的利用にも触れ、キリスト者としての第二次世界大戦に対する深い悲しみと反省、そして平和の決意を訴えた。
「9条で日本が守れるのか」という考えに対しては、「1945年当時とはまったく時代の状況が変わり、私たちは今、一触即発の大量破壊兵器時代に生きている。だからこそ『憲法9条は古い』のではなく、世界に誇る平和の金字塔として、その全文を生かして歩んでいかなければならない」と述べ、「戦争しないでおこう」「行かないでおこう」に留まらず、「自衛隊を中東に派遣してはいけない」と声を上げることが大切だと訴えた。
最後に金氏は、「9条の精神を宗教者として考えると、それは敵意に対する勝利。この精神を大切にして、市民の皆さん、キリスト教、仏教、他のあらゆる宗教、そしてこの日本で暮らすイスラム教の方たちとも手を取り合い、祈りの手を合わせ、平和の叫びを続けていきたい」と結んだ。
写真=日本キリスト教協議会Facebookより