第4回「聖書動画コンテスト」 最優秀賞に「言葉の力」 今風の発想に期待大 2020年1月24日
「変わらない言葉を 変わりゆく世界に」をテーマに、聖書に基づいた動画作品を競い合う日本聖書協会(大宮溥理事長)主催の聖書動画コンテストアワードが1月13日、アルカディア市ヶ谷私学会館(東京都新宿区)で開催され、クリエイターや関係者など約70人が出席した。2017年から毎年開催され、4回目となる今回は作品の長さに応じて1ミニッツ(総尺1分以内)、3ミニッツ(総尺3分以内)の2部門に分けて19作品の中から最優秀賞(1作品)、優秀賞(3作品)、作品賞(5作品)、奨励賞(10作品)が決定した。
最優秀賞には、3ミニッツ部門の「言葉の力」が選ばれた。聖書の言葉を通して言葉の力を伝え、いじめを食い止めようとの思いで制作された同作は、「優しい舌は命の木である。乱暴なことばは魂を傷つける」(箴言15:4=口語訳)を引用しつつ、余韻を感じさせるストーリー。第1回のコンテストで奨励賞を受賞して以来の受賞となった作者の藤山恵さんは、「聖書動画コンテストのようなプラットフォームができ、人がここに集まってくることは本当に感謝で、これからいろいろな形でのコラボレーションが生まれたら。日本だけでなく世界中の人が、映像を通して神様を知ることができるよう祈っている」とコメントした。
優秀賞は、関西学院高等部宗教部の「ハジマリ二カシコイモノアリ」とAMIKOUMU☆(アミコム)の「愛の訓練〜Love is patient, Love is kind.〜」、玉縄からの物体Eによる「アプリ『Bible』」の3作品が受賞。「ハジマリ二カシコイモノアリ」は、「聖書協会共同訳」に触発され、日本語翻訳の過程を推測し映像化したもの。「愛の訓練」は、聖書の教えである「愛」を訓練で身につける姿を描き、「アプリ『Bible』」はルカによる福音書(9:46〜50)をもとに、使徒の議論をチャット風にアレンジ、未熟な使徒たちとチャットで喧嘩をする現代人を重ね合わせる作品だ。
天川愛子さんの「一匹の羊」にはハートウォーミング作品賞、聖隷クリストファー中・高等学校放送部の「What is unseen?」には撮影技術作品賞、TOKYO・PAULさんの「旅人の荷物」はユニーク作品賞、Mejigakuin Chapel’s Membersの「Do for Others」はCM作品賞、Ezo’n Music featuring Pure Filmの「切り紙と三味線による『聖書のおはなし』」はアート作品賞がそれぞれ授与された。
審査を務めたのは同協会総主事の具志堅聖氏、福音ネット伝道協力会の小川政弘氏、星美学園講師の小林由加氏、日本基督教団横浜明星教会牧師の網中彰子氏の4人。審査員による総評では、ノミネートされた作品のレベルの高さを評価し、使徒信条をラップ化するなど、今風の発想とその可能性に期待を寄せた。
審査委員長の具志堅氏は、「牧師は言葉で伝えることを訓練しているが、映像では1分でも人の心に届く。これらの技術がさらに用いられ、聖書動画コンテストにもより広く、さまざまな作品が出品されることを期待している」と結んだ。
第5回聖書動画コンテストの募集期間は、2020年4月1日~10月31日を予定している。テーマ、募集要項は、決定次第ホームページで発表される。(クリスチャンプレスとの共同取材)