ギリシアで教会への「ヴァンダリズム(破壊行為)」 2020年2月20日
ギリシアのテッサロニキ市で2月19日、聖グレゴリオス・パラマス・ミトゥルポリ教会に対する「破壊行為」疑いで、若者2名が逮捕された。容疑は、同教会中庭にあるモニュメントへの塗料散布など。現地各紙が報じている。アナーキズム、または反ファシズムを意味する「A」の文字が描かれていることから、容疑者両名とも国家・宗教への反感からの犯行だと見られる。
テッサロニキ市在住でギリシア文学研究者の福田耕佑さん(アリストテリオ大学客員研究員)は「4年前に訪れた際もアルファのマークを市内で見かけました。つい最近、別の教会にも同様の事件がありました。私の知る限り大きく報じられたものとしては2度目です」と語った。
思想的主張のために文化財を破壊する行為を「ヴァンダリズム」という。現在、世界各地で頻発している。たとえば、ISISによる文化財や遺産の破壊行為がある。日本とキリスト教の関係でいえば、「寺社連続油被害事件」(2015~2017年)が記憶に新しい。未だ逮捕されていない、金山昌秀・容疑者は米国の開業医。2015年3月、千葉県にある寺社仏閣への建造物損壊容疑で逮捕状が出ている。
なお同容疑者は、IMM(インターナショナル・マーケットプレイス・ミニストリー)創立者として、2011年以降、日本の教会でも講演会を開催。ある講演会では「偽物の君は蹴飛ばされ追い出されました。ホームレスになり身体障害者になり追い出されました。アーメン!」などと語り、会場は拍手で応じていた(「偽物の君」とはサタンのことと思われる)。
同容疑者には外務省よりパスポート返還命令が出ているにもかかわらず、それにも応じていないと見られる。