「ラルシュ」創設者ジャン・バニエが女性を性的に虐待 2020年2月24日
知的障がいを持つ人々と彼らの生活を支える組織「ラルシュ共同体」の創設者ジャン・バニエは2019年5月7日、パリで死去したが、90歳での没後、フランスで女性6人を虐待していた、との懸念が浮上し、連合体である「国際ラルシュ」が英コンサルティング組織GCPSに調査を依頼していた結果が2月22日明らかにされた。
「今回明らかになったことは衝撃的であり、全面的に彼の行動を非難する。それはジャン・バニエが主張していたことは完全に矛盾し、人間の尊厳と健全性とに相容れず、『ラルシュ』が拠って立つ基本原則に反する」と、「国際ラルシュ」の現指導者シュテファン・ポスナー、ステーシー・ケーツ・カーニー両氏は「ラルシュ共同体」連合に宛てた書簡で記している。
バニエには1970年から2005年に、フランスで女性6人と「巧妙で感情的に虐待する」性的関係があった。バニエは精神的指導を行う名目で、性的関係をそそのかした。女性たちは誰も、自身障がい者ではなかったことも分かった。「これらの行動は、ジャン・バニエがこれらの女性を心理的、精神的に支配していたことを示している」と、報告書は明らかにした。バニエは女性たちに秘密を守るよう求めたともいう。
事態を最初に報じたカナダの新聞『グローブ・アンド・メール』によると、女性には知的障がいを持つ人々を支える「アシスタント」や修道女が含まれていた。
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