「新天地イエス教会」を英国では危険視と『テレグラフ』 2020年3月5日
英有力紙『デイリー・テレグラフ』の電子版『テレグラフ』が3月1日、新型コロナウイルス感染症流行の中心地となった韓国が、厳重な警戒態勢に入った事情を紹介すると共に、韓国での感染者の半数以上が新宗教団体「新天地イエス教会」とつながりがあったことを注視すべきだとしている。同教会は徹底した秘密主義で、信者は友人や家族に対して所属を隠すよう圧力をかけられているとも伝えている。
「新天地イエス教会」は1984年に李萬熙教祖(88)が創立。以後、英国や米国、ニュージーランド、オーストラリア、欧州各国、アフリカ、インド、中国にまで広がった。同教会は、李氏がイエス・キリストの役割を引き継ぎ、審判の日に信者14万4千人の肉体と精神を天国に連れていくと主張、論議の対象となっている。
『テレグラフ』の取材に応じたある英国人家庭は、「新天地イエス教会」の活動によって影響を受けた実態として、ある日突然、息子が教会の信者になったことを知らせる電話があったという。4年経った今でも、なぜ心優しく聡明な息子が家族とのすべてのつながりを断ったのか、理解できないと訴えた。
「新天地イエス教会」は20代前半の若者を標的とし、頻繁に主流派の教会や大学の構内で勧誘しているようだ。従来の教会より「優れた」真実を伝え、確立された教義を変えて「終わりの時」に焦点を当てている。
英国国教会は2016年、ロンドンにある500の教会に対し、「新天地イエス教会」の関連団体「パラクリスト」に関する正式な警告を発した。「パラクリスト」は英国の慈善団体として活動しており、教会に通う人たちを熱心に勧誘していた。同教会は全国にある施設を閉鎖し、ネット上でミサを開くとしているが、秘密主義で専門家からカルトと批判される団体に対処するのは、新たな試練だ、と同紙は見ている。(CJC)