【信教の自由を守る日】 村岡崇光氏〝歴史学び同じ罪を繰り返さぬよう〟 日本的発想・思考様式に陥る危険性も指摘 2021年2月11日
日本福音キリスト教会連合(JECA)関東4地区主催による「信教の自由を覚える集い」では、オランダ在住の村岡崇光氏(元ライデン大学教授)が「荒野の75年」と題してオンラインで講演。同氏は海外で侵略戦争の被害者に出会う中で、日本人として悔い改めの思いを具体的な形にしたいとの願いから、アジア10カ国を自費で訪れ、無償による特別講義を継続してきた。
講演では、キリスト者に求められていることは「歴史を見る者としての温かな心情と冷厳な目」であるとし、日本の現代史を祖国の歴史として受け止め、過去の清算にも何らかの形で参与すべきと提起。戦時中に日本の軍隊や教会が犯した罪について十戒に照らし、「神の姿に似せて創造された人間を不当に傷つけることは創造者である神に拳を振り上げること」「罪の赦しと和解は究極的には加害者と犠牲者が神の前に互いに向き合って初めて可能」と指摘した。
さらに「私たちの祖国は、誰が見ても不正、不義、罪としか形容しがたいことを外国に対してだけでなく自国民に対しても犯したことは明らか」と断じ、歴史修正主義の流れにも「神の前に正しく処理されるよう祈り、そのために努力することこそ真の愛国者ではないか」と強い懸念を示した。また、日本的な発想や思考様式に陥る危険性について、感傷主義(センチメンタリズム)、責任の不在、神との関係よりも他者との関係を優先しておもんばかる風潮にも留意すべきと強調した上で、過去の歴史を学び、継承し、同じ罪を繰り返さないようにしなければならないと結んだ。