東日本大震災10年 福島と共に歩むとは? FCC「福島県3・11記念集会」 2021年4月1日
福島県キリスト教連絡会(FCC)は3月2日、「福島県3・11記念集会」をZoomによるオンラインで開催した。福島各地の教会の牧師、福島の支援活動に関わってきた教会関係者らが参加し、10年を振り返ると同時に、未来に向けてのビジョンを分かち合った。
集会では、日本イエス・キリスト教団白河栄光教会牧師の船田肖二氏が進行を務め、FCC前代表で、単立郡山キリスト福音教会牧師の木田惠嗣氏の祈りで始まった。音楽ゲストに、10年前の震災直後から支援活動を続けるゴスペル・フォーク・シンガーの神山みさ氏が招かれ、ギター演奏によるライブ・コンサートも行った。
「震災から10年の福島」をテーマにしたシンポジウムでは、日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団郡山キリスト教会牧師の三箇義生氏、日本同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師の朝岡勝氏、保守バプテスト同盟福島第一聖書バプテスト教会牧師の佐藤彰氏、単立平キリスト福音教会牧師の森章氏、日本同盟基督教団いわきキリスト教会牧師の増井恵氏、日本同盟基督教団勿来キリスト福音教会牧師の住吉英治氏が登壇。
朝岡氏は、ふくしまHOPEプロジェクト事務局長を務め、この10年間、東京と福島を行き来しながら支援を続けてきた。東京に帰るたび、ある種の後ろめたさを抱えていたが、木田氏から「東京から通ってくれることに意味がある」と言われたことが一つの拠り所となっていたことを明かした。
原発に一番近い教会として知られる福島第一聖書バプテスト教会の佐藤氏は、地震・津波・原発事故ですべてを失い、約200人の教会員と「流浪の旅」を経験した。当時再会した信徒たちの合言葉は、「あなた生きてたの、何食べてたの」だったという。佐藤氏は、「生きているだけですごいこと。あとはイエス様を信じていればパーフェクトで、それ以外は、おまけです」と、この10年で福音の理解が変わったと話す。また、人生の理解も、教会観も変化したと述べ、流浪の旅の途上で感じた教会への思いについて「ヨナが魚に飲まれ、神の声を聞いたように、私たちも荒野に放り出されて神の声を聞けた」と語った。(クリスチャンプレス・坂本直子)